便秘の悩みをシンバイオティクスで解消する

ヨーグルト

長く続いていた残便感が
シンバイオティクスでスッキリ

歳を重ねるにつれ食事の量はどうしても減少しがち。活動量や胃腸などの生理的機能も低下しますから、高齢者の多くは「便秘」に悩まされることが多いのではないでしょうか。

便秘と一口に言ってもその現れ方は実にさまざまです。

便秘に関しては、2017年10月に日本で初めて「慢性便秘症診療ガイドライン」がまとめられているのですが、そこでは、便秘を「本来なら体外に排出すべき糞便(ふんべん)を、十分量かつ快適に排出できない状態」と定義しています。体外に出すべきものがそのまま体内に滞っているのは、なんともつらいものです。

シンバイオティクス効果を期待できる「ヤクルト400W」

この便秘対策として、先日、訪問看護師の友人から耳寄りな話を聞きました。訪問看護の対象者のなかに、強い残便感(ざんべんかん)、つまり直腸内にある糞便を十二分に排出できず、常に便が残っている感じが続いて苦しんでいる方がいたそうです。

その方のご家族からの提案もあり、シンバイオティクス効果が期待できることで知られる「ヤクルト400W(ダブル)」を飲み始めてもらったところ、1週間もしないうちに、残便感がなくなり、スッキリ排便できるようになったというのです。

シンバイオティクスとはあまり聞かない言葉です。そこで、その便秘への効用を調べてみましたので、要点を絞ってまとめておきたいと思います。

シンバイオティクスで
腸内環境を改善する

シンバイオティクスについては、腸内細菌学会の用語集では、「プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたもの」と説明されています。ちょっとわかりにくくてピンとこないという方が多いと思いますが――。

便通を整えるポイントは、「腸内フローラ」とも呼ばれる腸内の細菌叢(そう)のバランスを整えること、つまり腸内環境の改善にあります。

私たちの腸内には、体内に棲む細菌のうち約9割、数にして100兆個を優に超える細菌が常在していると言われています。この常在菌の集まりである腸内フローラには、大別して3種類の細菌が生息しています。

大腸の働きを活性化させる「善玉菌」と大腸内の腐敗を進めて、私たちの健康にマイナスに働いてしまう「悪玉菌」、およびその時々の状況に応じてどちらか強い方の味方をする「日和見菌(ひよりみきん)」の三つです。これらの細菌が、腸内でバランスよく存在する状態に持っていけば、便通は改善され、免疫力の強化も期待できるというわけです。

その最も手軽な方法として、「乳酸菌」や「ビフィズス菌」などを多く含むヨーグルトのような食品がいいことはご承知でしょう。これら乳酸菌やビフィズス菌のように、私たちの腸内で健康にプラスの働きをしてくれる、いわゆる善玉菌が「プロバイオティクス」です。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂る

一方、乳酸菌などのプロバイオティクスが腸内で増えて健康にプラスに働く力を存分に発揮するには、仲間を増やすための栄養源として、オリゴ糖のような「エサ」が必要です。このエサは、「プレバイオティクス」と呼ばれます。

乳酸菌などのプロバイオティクスをとる際にこのプレバイオティクスを一緒にとると、腸内環境がより健康的な状態に整えられ、便通の改善はもとより、腸内の免疫細胞が活性化して免疫機能が強化されることが確認されているのです。

この効果を狙い、プロバイオティクスとプレバイオティクスの2つを組み合わせて同時に摂取することをシンバイオティクスというわけです。

「ヤクルト400W」1本で
シンバイオティクス成分を充たす

そこで、訪問看護師さんが「シンバイオティクスの効果があった」と話してくれた「ヤクルト400W」の成分をチェックしてみました。

ヤクルトのホームページにアクセスしてみると、「ヤクルト400W」は機能性表示食品で、消費者庁届出番号は「F151」とあります。

機能性表示食品は、「トクホ」という略称で知られる「特定保健用食品」と「栄養機能食品」とともに、食品の安全性や健康への効能(機能性)について、パッケージなどに表示したりCMなどで広く一般にアピールすることが国から認められている食品です。

このうち特定保健用食品には、国の厳しい認定基準や審査があります。栄養機能食品にも、認定に必要な国の基準値が設定されています。

機能性表示食品には基準のようなものはないのですが、その食品の安全性と機能性(健康への効能)に関する科学的根拠等を論文にまとめ、販売前に消費者庁長官に届け出ることが義務づけられています。そしてこの論文の詳細は、消費者庁のホームページで公開されていますから、誰でも簡単に見ることができます。

乳酸菌とオリゴ糖が腸内環境を改善して便通をスムーズに

早速、消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」で「届出番号」の欄に「F151」と入力してみました。するとそこには、「本品には生きたまま腸内に到達する乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖が含まれています」とあるのに続き、次のような説明が付記されています。

「乳酸菌シロタ株とガラクトオリゴ糖には、よい菌(乳酸菌やビフィズス菌)を増やして腸内環境を改善し、お通じを改善する機能(効能)があることが報告されています」

ということは、ヤクルト400Wにはプロバイオティクスとプレバイオティクスが含まれていて、1本でシンバイオティクスの成分を充たしているということになります。

なお、ヤクルト400Wは宅配専用商品です。宅配の注文は、ヤクルトお客様相談センター(0120-11-8960)で受け付けています。受付時間は、10:00-16:00(土・日・祝日・夏季休業・年末年始を除く)です。

食事によるシンバイオティクスで
腸内環境を改善し免疫力も強化

改めて言うまでもないでしょうが、毎日の食事にシンバイオティクスを取り入れることにより、腸内環境を改善して便通を整えたり、免疫の強化を図ることができます。

プロバイオティクス食材としては、乳酸菌やビフィズス菌を多く含むヨーグルトやチーズ、納豆菌の納豆、麹菌の味噌やぬか漬けなどがあります。また、プレバイオティクス食材としては、食物繊維の多いブロッコリーやきのこ類、あるいはオリゴ糖を多く含む大豆や玉ねぎ、バナナなどがあります。

これらのプロバイオティクス食材とプレバイオティクス食材を一緒にとれば、その相乗効果でシンバイオティクスの効果が期待できるというわけです。

とかく私たちは、便通改善のためと称してヨーグルトなどのプロバイオティクス食材だけを積極的にとるようになりがちです。

また、便秘がちだったりすると、とかく食物繊維の多いプレバイオティクス食材をとろうとするのですが、プロとプレのの両方を食材を組み合わせてとるということはあまりしていないように思いますが、いかがでしょうか。

便秘がちな方は、是非一度プロバイオティクス食材とプレバイオティクス食材を一緒にとって、シンバイオティクスの効果を試してみてください。

なお、便秘対策については、こちらの記事も読んでみてください。

→ 便秘解消にヨーグルトが苦手ならゆずゼリーを

→ 酸化マグネシウム便秘薬を服用している方へ

→ 排便姿勢はロダンの彫刻「考える人」がいい

便秘によっては、早めに医療機関を受診すべきものもありますので、ご注意を!!

高齢者は、男女の別なく便秘になりやすい要因が重なりがち。「たかが便秘」と軽視し、市販薬や民間療法で対応していると深刻な事態につながるリスクがある。どのようなときに医療機関を受診すべきなのか、とりわけ急を要するのはどのような症状がでたときなのかをまとめた。