減塩食が長続きしない方は「かるしおレシピ」を

食塩

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毎月17日は「減塩の日」です。私たち日本人は老いも若きも、どうしても塩分過多の食事になりがちです。高血圧などで減塩を心がけている方はもちろんですがそうでない方も、毎月この日は、塩分をとり過ぎていないかどうか、日頃の食生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。

コロナ禍による自粛生活で
食事が塩分過多に

大阪市吹田市にある国立循環器病研究センター(以下、「国循」)が、食生活について非常に興味深い調査結果を発表しています。

コロナ禍の最中にWeb上で実施したアンケート調査で、「緊急事態宣言以降あなたの食生活は変わりましたか?」の質問に、回答した434人のうちの84.6%の人が「はい」、つまり食生活が「変わった」と回答したというのです。

その「変わった」食生活の具体的な内容ですが、最も多くあげられたのは、「間食」でした。61%の人が、コロナ禍以前と比べ「間食する頻度が増えた」と答えているのです。

ところで、間食として私たちがよく口にするのは、スナック菓子ではないでしょうか。スナック菓子はカロリーが高いだけでなく、塩分も多くなりがち。だとすれば、間食が増えた分だけ塩分過多になっているのではないかと心配になってきます。

調理済み食品の多用は塩分過多を招く

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、食料品購入のための外出も「3日に1回程度に」といったかたちで自粛が求められています。

そのためどうしても宅配や持ち帰り、出来合いの総菜類など、調理済み食品の利用が「従来以上に増えた」とする回答も多くなっています。このような調理済みの食品もまた、保存を効かせるため、また味を良くするために、塩分が多めに使われています。結果として、どうしても塩分を摂りすぎることになりがちです。

ということで、長かったコロナ禍の影響下にある現在、改めて注目されているのが「減塩」の重要性です。

そこで今回は、栄養バランスを兼ね備えつつ食塩を控え、しかも美味しくいただける「かるしお」と呼ばれる減塩方法について書いてみたいと思います。

「かるしお」という
「減塩」の新しい考え方

「かるしお」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?あるいは「かるしおレシピ」はどうでしょう。

「かるしお」とは、「塩をかるく使ってうまみを引き出す」という、国立循環器病研究センター(以下、国循)が提唱する「減塩」の新しい考え方です。

塩分控えめの食事は、高血圧の有る無しに関係なく健康的な食事です。ただ、味がいまひとつで飽きてしまい長続きしない、あるいは薄味が物足りなくてつい塩をパラパラとかけてしまう、といったことになりがちなのが「従来型の減塩食」です。

そこで、従来型の減塩食に代わるものとして、国循では2005年という早い時期から、病院の栄養士と調理師が協力して、塩を減らすことで素材の持つ「うまみ」を引き出し、美味しく食べてもらえるようにと、独自性のある減塩食の開発に取り組んできました。

1食あたり食塩2g未満で素材の「うまみ」を引き出す

この新しい減塩食が入院患者に大変好評で、退院した患者から、「あの食事を家庭でも食べてみたい」との声が数多く寄せられたのだそうです。こうした声に応えて誕生したのが、1食あたり食塩2g未満で、彩りと栄養バランスに富んだ「かるしおレシピ」です。

この「かるしおレシピ」をはじめとして、国循の「かるしお事業推進室」は、「かるしお認定制度」から誕生する「かるしお認定商品」など、高血圧や心筋梗塞、脳卒中といった循環器病予防のための食生活改善を目指してさまざまな取り組みを進めています。

減塩は高血圧などの循環器病だけでなく認知症の予防にもつながることから、認知症対策を加えたかるしおレシピ本も刊行されています。毎日の食事に活用されてはいかがでしょうか。

「かるしお認定基準」を満たす
「かるしお認定商品」の活用を

「かるしお認定商品」とは、国循が設定した「かるしお認定基準」を満たしていることが国循の審査で認定され、「かるしお認定マーク」の表示が認められた商品です。

「かるしお認定基準」は2014年11月に制定され、2020年4月1日に2度目の改定が行われています(同年6月1日施行)。認定基準のポイントは以下のようになっています*²。

  1. 弁当、飲食店の定食、どんぶりもの等
    ① 1食あたり600kcal程度、たんぱく質25~30g、脂肪エネルギー比25%以下
    ② 食塩相当量2g未満、および野菜(海藻・きのこを含む)使用量150g以上であること
  2. 単品惣菜、飲食店での単品料理等
    ① 1品(1人前)として適量であり、食品相当量0.5g未満
    ② パッケージに1人分の分量が明記されていること
    ③ 味つけせずにそのまま食事として食べられる状態に調理されているもの
  3. しょうゆ、みそ、合わせ調味料、だししょうゆ等の調味料類
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること
  4. インスタント食品等の加工食品
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること
    ② 食塩相当量を1食あたり2g以上含むものには、成分表示以外にも明確な表示を行う
  5. 塩蔵食(保存用に塩漬けにされた食品)等の加工食品
    ① 同質の他の食品より30%以上食塩相当量をカットしていること

上記の基準をクリアし、審査をパスして「かるしお認定マーク」の表示を認められた「かるしお認定食品」は、すでに300件を突破し、現在も増え続けているとのことです。「かるしお認定商品」の一覧は、国循のWEBサイトにある「かるしおプロジェクト」のコーナーで確認することができます*³。一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

日本人は血圧が正常でも
1日食塩摂取量を6g未満に

現行の「高血圧治療ガイドライン2019」では、高血圧患者に対し、高血圧が重症化して心筋梗塞や脳卒中など深刻な循環器疾患に進行するのを予防するためには、1日当たりの食塩摂取量を6g未満にすることをすすめています。

5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン2019」。基準値は据え置かれたものの、降圧目標値は10㎜Hg引き下げられ、より厳しくなっている。降圧治療の基本は減塩だ。この1日摂取目標量も来年度から0.5㌘減が予定されている。そのポイントは……。

さらに、2018年の国民健康・栄養調査では、日本人の食塩摂取量の平均値は10.1gで、必要量をはるかに超える食塩を摂取していることが明らかになっています。

こうした事態を懸念した日本高血圧学会は、血圧が正常であっても、男女ともに、食塩摂取量を1日6g未満に落とすことを奨励しています。

日本高血圧学会は、減塩キャンペーンとして、「簡単健康料理~減塩なんてすぐできる~」の動画14本を公式Webサイトで公開しています。家庭でできる減塩と上手な野菜の摂り方をチェックしてみてください*⁴。

その点、国循が提唱する「かるしお」は、「食塩を減らしても美味しい」ではなく「食塩を控えるから美味しい」をモットーとしています。

特に、かかりつけ医から減塩をすすめられて頑張ってはいるものの「味気がなくて美味しくない」ことを理由に挫折している方は、国循の「かるしお認定商品」やレシピ本を一度活用してみることをおすすめします。

参考資料*¹:緊急事態宣言後の食生活に関するアンケート

参考資料*²:かるしお認定基準(2020年4月1日改定)

参考資料*³:かるしお認定商品一覧

参考資料*⁴:日本高血圧学会「簡単健康料理~減塩なんてすぐできる~」