コロナ対策にマスクの種類はどれがいいの?

マスク着用

新型コロナ感染者急増で
強調されるマスク着用の重要性

各自治体が公表している新型コロナウイルスの新規感染者数(陽性者数)がこのところ急激に増え続け、11月18日には、1日の発表としては過去最多の2179人となりました。

これを受けて菅総理大臣は、19日朝、国民に対し、「改めてマスクの着用や3密の回避など、基本的な感染対策の徹底をお願いしたい」と呼びかけています。

総理が「静かなマスク会食」呼びかける

さらに、専門家から感染リスクが特に高まることを指摘されている飲食場面においても、会話をする際にはマスクを着用し、「静かなマスク会食」を励行するよう要請しています。

感染対策としてのマスク着用については、先に西村新型コロナ担当・経済再生担当大臣も、大人数で飲酒を伴う会食の場などでマスクを外す際には、特に注意するよう促しています。

新型コロナウイルスの感染第2波以上に深刻さがうかがえる感染第3波対策として、改めてマスク着用の重要性が強調されているのですが……。

一口にマスクと言っても、今や色といい素材といい、実にさまざまなものが出回っています。
マスクは着用しないよりした方が間違いなく感染防止につながることはわかっています。
しかし、新型コロナ対策としてより有効なのはどのようなマスクなのでしょうか。

フェイス・マウスシールドは
単独ではコロナ対策は不十分

マスク着用による新型コロナウイルスの感染防止効果については、これまで国の内外でさまざまなシミュレーション実験が行われ、マスクを着用することで感染拡大をある程度防御できることが確認されています。

先に紹介した理化学研究所や神戸大学などの研究グループが、世界最高の解析能力を誇るスーパーコンピューター、通称スパコン「富岳」を使った実験はその代表といっていいでしょう。

この実験では、不織布マスクを着けた場合では、くしゃみや咳、会話等で発生する飛沫のうち、50マイクロメートル(㎛)以上の大きな飛沫はほぼ100%、5マイクロメートル以下のエアロゾルと呼ばれる微粒子も約70%は捕捉できることが確認されています。

ただし、マスクなしでフェイスシールドだけ着けた場合は、エアロゾルはほぼ100%が漏れ、50マイクロメートル以上の飛沫でも約半分が漏れ出ることが確認されているのです。

この結果から研究グループは、フェイスシールド単独では、コロナ対策としては不十分でフェイスシールドを着用する際にもマスクを着用するよう奨励しています。

口の部分だけを覆うかたちのマウスシールドに期待できるウイルス防御効果も、フェイスシールドと大差ないものと考えていいでしょう。

同研究グループは11月26日、スパコン「富岳」によるシミュレーション実験の結果、「ウレタン製マスクは感染対策としての性能はあまりよくないことがわかった」とし、人と集まって密になるような機会には不織布マスク(サージカルマスク)を着けることをすすめている。

布マスク着用で17%減少
サージカルマスクでは47%減少

このマスク着用による新型コロナウイルスの感染防御効果については、東京大学医科学研究所の河岡儀裕教授らの研究グループが、10月21日、興味深い実験結果を公表しています*¹。

研究グループは、ウイルスが漏れ出さないように開発した特殊な実験室(チャンバー)内に、本物の新型コロナウイルスを含んだ飛沫を出すマネキンと、人工呼吸器をつないで呼吸を再現して、空気を吸い込むマネキンを向かい合わせに設置し、空中を浮遊するウイルス飛沫をマスクがどの程度防御できるか調べました。

その結果、空気を吸い込む側のマネキンだけに布マスクを着けた場合、吸い込んだウイルスの量は、マスクなしの場合より17%減り、一般的な不織布製のサージカルマスク(外科用マスク)着用では47%減ったということです。

N95マスク密着装着なら79%減少

ちなみに、医療現場で使用しているN95マスクを隙間なく装着させた場合は、79%という高率でウイルス量が減少したそうです。

逆に、飛沫を出す側のマネキンだけにマスクを着け、向かいのマネキン(マスク無し)が吸い込んだ空中ウイルスの量を調べたところ、布マスク着用の場合もサージカルマスク着用の場合もマスクなしで飛沫を出した際より70%減っていました。

一方で、両方のマネキンにマスクを着けた場合も吸い込むウイルス量を減らす効果は確認されたものの、完全に防ぐことはできなかったということです。

以上の結果から研究グループは、マスクを適切に着用する重要性は確認できたものの、マスクを着用していてもウイルスを完全に防御できるわけではないことから、マスクを過度に信頼することなく、他の感染拡大防止対策(こまめな手洗いや3密の回避など)を併用することが大切だと、まとめています。

バンダナやネックゲイターは効果を期待できない

なお、国内ではあまり見かけませんが、スポーツマンなどがマスク代わりに着用しているバンダナやネックゲイターについては、WHO(世界保健機関)が、何も着けていないのとほぼ同じくらいの効果しかないとしています。

したがって、寒さ対策ならともかく、ウイルス防御目的で使用することは避けた方かいいでしょう。

参考資料*¹:新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果