高めの血圧を改善する「なす」をご存知ですか?

なす

生鮮野菜の「高知なす」が
機能性表示食品に

我が家には毎週水曜日、野菜の宅配ボックスが届きます。

今週届いたボックスに、「高めの血圧(拡張期血圧)が気になる方へ」と書かれたパッケージ袋入りの「高知なす」が入っていました。

そのパッケージ袋には、「高知県産」と並び「機能性表示食品」とも書かれています。

なすについては、便秘対策に欠かせない「食物繊維」や塩分を摂りすぎたときにナトリウムを排出してくれる「カリウム」、さらには貧血対策に欠かせない「葉酸」やビタミン類といった栄養素が含まれていることは知っていました。

とはいえ、なすはそのほぼ90%が水分で占められています。

だから、さまざまな栄養素が含まれてはいるものの、健康への効能はたかが知れているだろうと、正直思っていました。

そんなイメージもあって、なすのパッケージ袋に「機能性表示食品」とあるのを見たときは、
「えっ、なすが機能性表示食品なの?」と、意外に思ったものです。

しかも、高めの血圧を改善するというのですから、すぐにはなかなか信じがたい――。

そこで、詳しいことを調べてみましたので、お伝えしておきたいと思います。

健康への効能の表示を
国が認可した機能性表示食品

「機能性表示食品」とは、いわゆる健康食品のなかの「保健機能食品」の一つです。

保健機能食品とは、安全性や健康への有効性に関して国が定めている一定の基準を満たしている食品で、健康への効能をパッケージなどに表示したりCMなどで広く一般にアピールすることが許されています。

この保健機能食品には、「トクホ」という略称で知られる「特定保健用食品」と「栄養機能食品」、「機能性表示食品」の3種類があります。

特定保健用食品には国の厳しい認定基準や審査があります。
栄養機能食品にも、認定に必要な国の基準値が設定されています。

一方、機能性表示食品には、トクホなどに求められる認定基準や審査はありません。

ただ、機能性食品を販売する企業には、その食品の安全性と機能性(健康への効能)に関する科学的根拠等を論文にまとめ、販売前に消費者庁長官に届け出ることが義務づけられています。

この書類を提出すれば、該当する食品のパッケージにその安全性や機能性を表示することができることになっているのです。

消費者庁長官に提出された安全性や機能性の科学的根拠等を示す論文等は、消費者庁のWebサイトで公開されていますから、誰でも見ることができます。

拡張期の血圧が高いと
脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い

そこで早速、消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」*¹で、「高知なす」のパッケージに明記してある「届出番号F311」をもとに、検索してみました。

そこには、「高知なす」に含まれるナス由来コリンエステル(アセチルコリン)には、
「血圧が高めの方の血圧(拡張期血圧)を改善する機能があることが報告されている」
との説明が付記されています。

ちなみに「拡張期血圧」とは、心臓へ血液が戻ってきて心臓が拡張したときの血圧です。
俗に言う「下の血圧」で、「最低血圧」とも「最小血圧」とも呼ばれています。

拡張期の血圧は90㎜Hg以上あると、「高い」と判断されることが多いようです。

拡張期血圧が高くなるのは、高齢者より若い世代の方に多く、心臓から遠い末端の細い動脈(末梢動脈)が動脈硬化によって硬くなり、血液の流れが悪くなっている場合です。

拡張期血圧だけ高いのは、肥満している方、運動不足の方、喫煙している方、アルコールを過剰摂取している方などに多くみられ、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞、および末梢動脈性の疾患を発症するリスクがあります。

対策としては、減塩食禁煙節酒、適度の運動などがあげられますが、そこに今回、新たに「高知なす」が加わったというわけです。

「高知なす」に含まれる
コリンエステルが血圧を改善

なすに含まれる「コリンエステル」という成分は、少ない量で胃や腸などを介して自律神経に作用し、ストレスにより活性化する交感神経の活動を抑制して血圧を改善したり、気分をよくする、睡眠を改善するといったリラックス作用のあることがわかっています。

コリンエステルは、にんじん、アスパラガス、ピーマン、きゅうり、とまとなど、ほとんどの野菜に含まれています。

なかでもなすの含有量は飛びぬけて多く、他の野菜類の1,000倍以上あるとされています。

なすと一口に言ってもコリンエステルの含有量は品種により異なるのですが、高知県で栽培されていて冬と春に出荷されるなすのうち高知県農業協同組合(JA高知県)が扱っている「高知なす」には、特に豊富に(他の野菜類の3,000倍)コリンエステルが含まれていることが研究により確認されています。

「高知なす」を1日2本(可食部、つまりヘタなどを取り除いた食べられる部分で100g)を目安に食べれば、健康への効能の有効量(1日あたり2.3㎎)をほぼ確実に摂ることができることになります。

1日2本の「高知なす」は
レンジでチンして調理を

コリンエステルは熱に強い性質を持っています。

ただし水溶性、つまり水に溶けやすいため、切り口などを水にさらすとコリンエステルが流出してしまいます。
手早く洗い、カットしたらすぐに加熱調理することが鉄則です。

手元にある「高知なす」のパッケージには、「摂取の方法」として、
「レンジ(600W)で3分加熱、または180℃で3分素揚げなどでお召し上がりください」
と記されています。

丸ごとラップにくるんでレンジで加熱するのが、より簡単な調理法でしょう。

1本につき1分半を目安に加熱し、少し冷やしてからヘタの側から縦にさいて食べやすいサイズにし、おろししょうがじょうゆでいただくというのはいかがでしょうか。

コリンエステルは酸にも強い(耐酸性が強い)とのことですから、ポン酢などをかけてもいいと思います。

このほかにも、「なすのつくね焼き」「なすピザ」「なすと蒸し鶏の梅ソース」といったレシピが、JA高知県のWebサイト*²で紹介されています。

ただし、くれぐれも減塩をお忘れなく。

購入は最寄りのスーパーなどで

なお、「高知なす」は大手のスーパーなどで販売しています。

行きつけのスーパーなどに、「機能性表示食品の高知なす」として問い合わせてみてください。その際、「高知県のなす」には品種がいろいろありますから、機能性表示食品であることを忘れずにご確認ください。

参考資料*¹:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」

参考資料*²:JA高知県「高知なすで健康生活」