寒さが厳しい冬の高血圧対策は「頭寒足熱」で

長いソックス

寒い時期の高血圧対策は
「頭寒足熱」の室温管理を

新型コロナウイルス感染症の流行が第3波の真っただ中にあり、新規感染者が連日過去最高を記録していることは、報道等を通じてよくご承知のことと思います。

新型コロナ患者の急増により「医療崩壊」の懸念が現実味を帯びてきた今、新型コロナ以外の患者対応にさまざまな影響が及んでいます。

高血圧などの基礎疾患を抱えながら在宅で療養している方は、たとえばこの寒さで急変し救急車を呼ぶようなことがあっても、救急搬送を受け入れてくれる病院がなかなか見つからないといった事態が、各地で頻繁に起きていることをご存知でしょうか。

ここ数日、コロナ患者が目立って急増している東京都では、119番通報により救急車が自宅に来てはくれたものの、受け入れ先が見つかるまでの30分余りを救急車のなかで待たされた、といったケースも実際に起きているようです。

なんとしても今年の冬は、自己管理をいつも以上に徹底して行って、持病を悪化させるような事態だけは避けたいものです。

ということで今回は、厳しい寒さが続く今の時期にあって、高血圧の方が血圧を上げないための鉄則とされる「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」の話を書いてみたいと思います。

頭の部分と足元付近の
温度差により血圧が上昇

「頭寒足熱」とは、古くから語られてきた健康法です。
改めて説明するまでもないでしょうが、文字どおり、頭の部分は涼しくして足元付近を温かく、という意味です。

自治医科大学の苅尾七臣(かりお かずおみ)医師(同大内科学講座 循環器内科学部門 主任教授)ら研究チームは、オムロンヘルスケアなどとの産学連携により、室温の変化が血圧に与える影響について実証実験を行った結果を報告しています*¹。

実験では、断熱性能が高く、部屋全体、特に足元付近の室温が適度に保たれている住宅と、
断熱性能が低く足元付近の室温が低くなってしまう住宅について、
血圧の変動を比較検証しています。

その結果、断熱性能が低く足元付近(床から0.1mの高さ)の温度が低くなってしまう住宅では、暖房器具によって床上1.1m付近(着席時の頭の高さ)の室温を20℃に温めても、足元付近の室温は10℃程度と、倍近い温度差が出ることを確認しています。

この温度差により、血圧が上がりやすく、平均して9㎜Hg上昇することが確認され、住環境の室温による血圧への影響が少なくないことが示唆されたと言うのです。

部屋全体の温度管理より
足元付近を冷やさない工夫を

この結果から、たとえば寒い冬に多い​ヒートショック​のような、急激な寒暖差による血圧の上昇がもたらす脳卒中や心筋梗塞のような心血管系のトラブルを避けるには、断熱性が高く、室温を適温に保つことができる住宅に住むのがいいという話になります。

とはいえ、高血圧あるいは血圧が高めで、室内の温度差による脳卒中などのリスクを避けたいからという理由だけで、誰もが高断熱の住宅に住み替えたり、住宅の断熱性を高めるために住宅をリフォームするといったことがそう簡単にできるわけではありません。

そこで、寒い時期の温度変化による血圧の上昇を避けるには、部屋全体の温度管理よりも足元を冷やさないための温度管理や足元が冷えない防寒対策が必要となります。

ふくらはぎを温めて
全身に温かい血液を巡らせる

最近普及しているホットカーペットを敷くのもいいでしょう。

しかし、ポイントとなるのは、「第二の心臓」と呼ばれるほど下半身の血液を心臓に戻すポンプとして重要な役割を担っている「ふくらはぎ」です。

全身の血液は、重力の関係で約7割が下半身、特にふくらはぎに集中しています。
ふくらはぎを温めてあげれば、体全体のあらゆる部分に温かい血液を送り届けることができますから、温度差による血圧の変動を防ぐことができるのです。

ふくらはぎを温めるには、ロングサイズ の レッグウエアー を着用するなり、遠赤外線でふくらはぎを温めてくれる遠赤レッグウォーマーなども上手に活用するといいでしょう。

参考資料*¹:「住まいと健康」に関する共同研究 室温が家庭血圧に与える影響について影響についての実証調査を実施