高めの血圧対策に「高GABAトマト」も活用を

トマト

栄養成分GABA(ギャバ)の
血圧への効能

「GABA(ギャバ)」と呼ばれる栄養成分をご存知でしょうか。

GABAの正式な名称は「γ(ガンマ)-アミノ酪酸」で、この名が示すように、GABAはアミノ酸の一種です。

もともと私たちの体内、主に脳や脊髄などの中枢神経系に多く存在していて、イライラして高まった神経細胞の働きを抑え、自律神経のバランスを整える働きをしています。

つまりGABAには、交感神経の働きを抑制して、興奮した神経を落ち着かせたり、ストレスを和らげたり、リラックス状態をもたらす働きにより、高めの血圧を下げたり、熟睡を促したりする効果が期待できるというわけです。

昨今のようなストレス社会に生きる現代人にとって、GABAは必須のアミノ酸なのです。

ただ、強いストレスを受けたり、イライラ状態が続いたりすると、大量のGABAが失われてしまうため、体内のGABA量はどうしても不足しがちになります。

そこで、毎日の食事や間食でGABAを意識して補うことができるようにと、GABA成分を強化した食品が数多く市販されるようになっています。

今回はそのなかから、高めの血圧対策におすすめの「高GABAトマト」を紹介しておきたいと思います。

機能性表示食品の
「高GABAトマト」を販売

最近はGABAを配合した特定保健用食品、いわゆる「トクホ」が数多く出回っていますが、トマトやなす、きゅうり、カボチャといった生鮮野菜やミカン、メロンなどの果物、さらにはキムチのような発酵食品にもGABAが多く含まれています。

このうち「トマト」については、国内ではまずカゴメアグリフレッシュ株式会社(以下、カゴメ)が、栽培管理や品質管理の手法によってGABAの含有量を安定させた「機能性表示食品」として、「高GABAトマト」をスーパーなどで販売を開始しています。

「機能性表示食品」とは、いわゆる健康食品のなかの、健康への効能をパッケージなどに表示したりCMなどで広く一般にアピールすることが許されている「保健機能食品」の一つです。

機能性表示食品には国の厳しい認定基準や個別の審査はありません。

ただし、機能性表示食品を販売する企業には、その食品の安全性と機能性(健康への効能)に関する科学的根拠等を論文にまとめ、販売前に消費者庁長官に届け出ることが義務づけられています。

この書類を提出すれば、該当する食品のパッケージにその安全性や健康ヘの効能を表示することができることになっているのです。

消費者庁長官に提出された論文等は、消費者庁のホームページで公開されていますから、商品に明示されている「届出番号」により誰でも見ることができます。

GABAを1日12.3㎎摂れば
血圧を下げる効果が

カゴメの「高GABAトマト」の届出番号「F651」をもとに、消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」*¹で検索してみました。

そこには、「高GABAトマト」で成分が強化されているGABAについては、1日に12.3㎎摂取すると「血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されている」と明記されています。

続いて、カゴメの「高GABAトマト」1~2個(可食部にして71g)を摂取すると、血圧を下げる機能が報告されているGABAの1日量(12.3㎎)の50%を摂取することができると説明しています。

加えてそこには、「摂取する上での注意事項」として以下2点が明記されています。

  1. 多量に摂取することにより、疾病が治癒したり、より健康が増進できるものではない
  2. 降圧剤等の医薬品を服用している方は医師、薬剤師に相談すること

なお、カゴメの「高GABAトマト」は、私の場合、最寄りのスーパー(東京都内)では、3個入りの1パックが398円(税込429円)で買うことができました。
ただし、店舗により販売価格には多少の違いがあるようです。

ゲノム編集で品質改良した
GABAが約5倍のトマトも

カゴメの製品とは別に、2021年9月には、ゲノム編集を利用した品質改良により、通常のトマトの約5倍ものGABAを含むトマトの販売がインターネット上で始まっています。

血圧が高めの方はもとより、血圧に問題はなくても、昨今のようなストレス社会に生きる私たちにとっては、「GABAが約5倍」は何とも魅力的です。

とは言え、「ゲノム編集」という新しい技術で品質改良されたと聞くと、「遺伝子組み換え食品」をイメージして、安全性に懸念を抱きがちではないでしょうか。

そこでちょっと調べてみたのですが、「遺伝子組み換え」では、「組み換え」とあるように、個々の生物が本来持っていない遺伝子を外部から組み入れて、これまでなかった性質を付け加えることになります。

そのため、ごくまれとは言え、予期せぬ変異が起きて健康に悪影響をもたらすといったことがないとも限りません。

その点「ゲノム編集」は、もともとある遺伝子(遺伝情報)の一部をピンポイントで操作するだけですから、予期せぬ変異が起きる心配はなく、従来行われてきた品質改良と安全性は変わらないと考えられています。

ゲノム編集の「高GABAトマト」
「シシリアンルージュハイギャバ」

トマトには、GABAを作り出す遺伝子がもともと備わっているのですが、水が少ないなど特殊な環境以外ではGABAの生成が抑制されてしまいます。

そこで、ゲノム編集によりGABAの生成を抑えている遺伝子の一部を切断したところ、見た目やサイズ、また糖度も通常のトマトと大差ないものの、GABAを通常の約5倍も含むトマトが完成したというのです。

これが今回販売が開始されたトマトで、その苗を開発したのは筑波大学発のベンチャー企業「サナテックシード」(東京・港区)です。

この高GABAトマトは「シシリアンルージュハイギャバ」と名付けられて、すでに2020年12月には食品の安全を所管する厚生労働省において安全性が確認され*、加工食品としての届出が受理されています。

*厚生労働省はゲノム編集による食品の安全性チェックを、①新たなアレルギーの原因や有毒物質などが作られていないか、②(毒素をなくす、一定の成分を増やすなどの改変をした場合)食品に含まれる栄養素などがどう変化したか、の2点をポイントに実施している。

シシリアンルージュハイギャバは
ネット通販サイトで購入を

ゲノム編集トマト「シシリアンルージュハイギャバ」は熊本県内の契約農家で栽培され、「パイオニアエコサイエンス株式会社」(東京・港区)の公式通販サイト内にあるオンラインショップ「青空トマト学園」*²を通じて販売されています。

3㎏でおよそ7,500円(税込、送料別)で、1粒に換算すると約38円となります。

シシリアンルージュハイギャバを絞って濃縮したトマトピューレも、1箱(30袋入り、1カ月分)5,400円(税込、送料別)で販売されています。

このピューレは、味噌汁に混ぜても、あるいはパスタソースと混ぜてナポリタンふうにしても通常のトマトピューレの4~5倍のGABAを摂ることができます。

高めの血圧対策に機能性表示食品の「なす」も活用を

なお、GABAではありませんが、トマト同様に「なす」にも高めの血圧を改善する効能がある成分を強化した機能性表示食品があります。
詳しくはこちらを読んでみてください。

生鮮野菜の「高知なす」に豊富に含まれるコリンエステルに血圧を改善する効果があることが確認され、機能性表示食品の仲間入りをしている。高血圧のなかでも若い世代に多い拡張期血圧(下の血圧)が高い高血圧で効果が期待できるとのこと。簡単な調理法も含め紹介する。

参考資料*¹:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」

参考資料*²:青空トマト学園 健やかマルシェ