「冷え性」をスパイスで解消し免疫力アップ

スパイス

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冷え性対策で免疫力を高め
感染症から身を守る

雨続きのある日、外出するのも気が進まず、時間を持て余して本棚の整理を始めました。そして目にとまったのが、表紙に大きく「内臓を温めなさい」と書かれた一冊、『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさいです。

たとえば、「私って、ひどい冷え性なの」と話すのを聞いて、誰もがとっさにイメージするのは手先や足先の冷たさで、「内臓の冷たさ」まではなかなか考えが及ばないものです。

そこで、「えっ、どういう内容だったかしら……」と流し読みをするなかで、「冷えは免疫力を低下させる大きな原因の一つ」というフレーズが目に飛び込んできました。

新型コロナウイルス感染症は、いっとき収束の気配を見せたものの、今度は季節外れのインフルエンザの流行で、専門家は「早めのワクチンを」とすすめています。

これらのウイルスから身を守るためにも、免疫力の低下は是非とも避けたいもの。そこで今回は、この本で紹介されている「内臓の冷え」対策としてのスパイス(香辛料)について、書いてみたいと思います。

なお、南アフリカの茶葉によるルイボスティーに免疫力を高める効果が期待できるという話をこちらで書いていますのが、併せて読んでいただけたら嬉しいです。

世界有数の鉱物資源が豊富な大地で育つ「ルイボス」の葉で作られる「ルイボスティー」は、豊富な各種ミネラルに加えて抗酸化物質も多く、免疫力を高める効果も期待できる。産地の南アフリカでは「不老長寿の飲み物」としてのルイボスティーを、コロナ対策にどうだろうか。

スパイスで内臓を温め
冷え性を解消する

この本の著者は、長年にわたりさまざまな角度から「冷え」の研究を続けている理学博士の山口勝利氏(全国冷え症研究所・所長)です。

山口氏は、柔道整復師および鍼灸師としてこれまで多くの患者さんを施術(ケア)するなかで、体の冷えが疲労感や腰痛、便秘など、さまざまな不調の原因となっていることに気づき、冷え性の研究を始めたそうです。

また、本書を医学的観点から監修している井上宏一医師(東京・南砂町おだやかクリニック・院長)は、西洋医学だけにこだわることなく、伝統医学や補完・代替医学などを統合して診療を行う、いわゆる「統合医療(とうごういりょう)*」がご専門です。

本書の趣旨は、内臓が冷えていると全身の血流が悪くなり、免疫力が低下して、慢性的な疲労感や冷え症、腰痛、便秘といったさまざまな体の不調が現れる、というもの。

その解消には「内臓を温めなさい」とし、その方法として、体を温めるネギや生姜、大根、白菜といった野菜類をとることに加え、あるスパイスの利用をすすめているのです。

コショウを「ヒハツ」に代えて
内臓を温め冷えを和らげる

「内臓を温めなさい」という表現には、一瞬、「えっ?」となります。しかし、よくよく考えてみると、私たちは普段から、たとえば厳しい寒さの日にホットドリンクなどを飲み、「体の芯(しん)から温まる」などとよく言います。

この場合の「体の芯」には、当然ですが内臓も入っていますから、「内臓を温めなさい」という表現に驚くほどのことはないのかもしれません。

この「内臓を温める」方法として、著者らが読者にすすめているものの一つが、「ヒハツ」というスパイスです。ヒハツは、「ピパーチ」「ヒバーチ」、あるいは「ロングペッパー」とも呼ばれています。

このヒハツを、1日1gを目途にコショウ代わりに使い続けていると、冷えていた内臓が徐々に温まってくる、と言うのです。

冷え性に効く「ヒハツ」は
漢方薬の成分にも

ヒハツのようなスパイス、つまり香辛料が健康にいいという話は、よく耳にします。

その典型例としてよくあげられるのが、インドではアルツハイマー型認知症、いわゆるアルツハイマー病の発症率がかなり低いという事実です。アメリカにおけるアルツハイマー病の発症率との比較で実証されているのですが、その主因と考えられているのが、インド人の国民食とも言えるカレー料理です。

インド式のカレー料理には、さまざまな種類のスパイスが使われます。なかでもターメリックには、脳の働きを活性化する効能があり、アルツハイマー病の発症率を下げているのだろうと考えられているわけです。

インド人にアルツハイマー病が際立って少ないことはよく知られている。その理由はカレーにあると考えられていた。間違いはないが、むしろカレーに入れるターメリックというスパイスに多く含まれるクルクミンというポリフェノールが鍵だという話を書いてみた。

一方で、内臓を温める効果が期待できるとされるヒハツはコショウ科のツル性植物で、紀元前の時代から中国やインドを中心に、そのエキスが民間薬として使われてきた歴史があります。この流れから、最近では台湾などでは漢方薬として使われています。

日本で使われている漢方薬にも、ヒハツが成分になっているものがありますから、ヒハツは、いわゆる和漢植物(エキスが薬として用いられる、いわば薬草)の一つです。

ヒハツ成分「ピペリン」の
血流改善効果で冷え性を解消

スパイスとして市販されているヒハツには、いくつかの産地ものがあります。そのなかから、使いやすさで言えば、パウダー状のS&B ヒハツ(パウダー) 、あるいはスティックタイプの長コショウ[Long Pepper]がお勧めです。

ヒハツは、シナモンのようなエスニック風の甘い香りとコショウのような辛味が特徴です。パウダータイプのヒハツは、コショウ代わりに、どんな料理にも振りかけるだけでOKです。スティックタイプのものは、紅茶などの飲み物をヒハツスティックで数回かき混ぜるだけで、甘い香りを楽しむことができます。

香りを楽しめるだけでなく、ヒハツに含まれている「ピペリン」と呼ばれる成分が血管の働きを強化して、滞りがちだった血流を改善し、内臓は言うまでもなく末梢血管のすみずみまで血液を送り届けるように作用することが確認されているそうです。

男性にも冷え性の悩みが

日本人の8割が内臓の冷えにまつわる健康トラブルを抱えていると聞きます。圧倒的に多いのは女性ですが、男性も冷えを感じている人が増えているそうです。

本書ではヒハツを使った料理レシピも紹介されています。毎日の食事でコショウの代わりにヒハツを使っていれば、血流が改善されて冷えも緩和されるはずです。

ただし、何ごとも過ぎたるは及ばざるがごとしで、使い過ぎは逆効果。1日1グラム(小さじ半分)を厳守してください。

冷え性と脳梗塞にこんな関係が

なお、季節に関係なく内臓の冷えにより手足の先がいつも冷たいという、いわゆる「末端冷え性」の方は、脳梗塞のリスクが高いことがわかっています。

詳しくはこちらで紹介しています。是非一読のうえ、くれぐれもご注意ください。

冷え性にもいろいろあるが、手先や足先が季節に関係なく常に冷たい、いわゆる「末端冷え性」の人は脳梗塞になりやすいという。その理由と、自分でできる改善策について、脳神経外科医を取材した折の話を紹介する。最近は男性の末端冷え性も多いが、喫煙は禁物だそうだ。