新型肺炎対策でマスクを過信していませんか




マスク 感染

新型コロナウイルス感染拡大で
マスク姿が急増している

中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染が拡大し、1月31日の時点で、中国を含む32カ国において感染者が確認されており、その数は9800人と急増しています。

WHO(世界保健機関)はこの新型コロナウイルスについて、
①これまでに確認されたことのない全く新しいウイルスである
⓶風邪から重症急性呼吸器症候群(SARS)などさまざまな疾病を引き起こす可能性がある
③動物が最初の発生源であると考えられる
ことを、すでに1月20日の時点で発表していました。

これを受け、中国武漢市当局は、この新型ウイルスは市内にある海鮮市場(野生動物も売られていた)が感染の中心地であると特定、この市場への立ち入りを禁止しました。

ところがその後、この市場への立ち入りがなくても、人から人へ飛沫(ひまつ)を介して感染している証拠を確認したと公表。
これにより武漢市内はもとより、日本においても感染から身を守ろうとするマスク姿の人であふれています。

しかしながら、人びとのマスクの着け方や取り扱い方をテレビ映像で見るかぎり、「これでは、マスクを着用する意味がない」、「着用しているマスクがむしろ感染を受ける原因になってしまうのではないか」と心配になる人が多く、とても気になります。

ということで今回は、飛沫による感染防止に効果的なマスクの着け方、取り扱い方などについて、留意点のいくつかをまとめておきたいと思います。

不織布製マスクで鼻と口を覆い
新型ウイルスの飛散・侵入を防ぐ

今回の肺炎の原因となっている新型コロナウイルスをはじめ、病気を引き起こす可能性のあるウイルスは、「飛沫感染」とその飛沫を介しての「接触感染」により感染します。

飛沫、つまりウイルス肺炎にかかっている人が咳やくしゃみをした際に飛び散る細かい水滴、いわゆる「しぶき」には、肺炎の原因となるウイルスが含まれています。

このウイルス自体は非常に小さく、通常のマスクをきちんと着用していても鼻と口からの侵入や空中への飛散を100%阻止するのは難しいようです。

しかし、実際に空中を飛び交っている飛沫は、唾液や気道の分泌物がウイルスを包み込んでサイズ的には大きくなっています。
そのため、マスクで鼻と口をしっかり覆ってさえいれば、ウイルスを含む飛沫の体内への侵入や空中への飛散は100%とは言えないものの、ある程度は防ぐことができるとされています。

この場合に着用するマスクとして厚生労働省は、目の細かい不織布(ふしょくふ)製のマスク、いわゆるサージカルマスクをすすめています。

不織布というのは、文字どおり織ってない布のことを言います。
熱や科学的作用で繊維を密着させ、シート状の紙のように加工されていて、繊維や糸を織って作られている布やガーゼ類に比べ目が非常に細かいこともあって、不織布製マスクなら、飛沫による感染を、完全とは言えないまでも、ある程度防ぐことができるとされています。

なお、「不織布マスク」として売られている製品のなかには、品質に問題のあるものも出回っているようです。マスクを購入する際は、パッケージに「全国マスク工業会・会員マーク」があることを確認することをおすすめします。

「鼻出しマスク」を避け
マスクの裏表を間違えない

不織布製マスクを着用する際には、仮にあなたが患者であれば、自分の咳やくしゃみに含まれるウイルスを周りに飛散させて感染を拡げないために(咳エチケット)、あるいは患者でない方は病原性の高いウイルスを吸い込むなどして感染を受けるリスクを極力減らすために、口と鼻がしっかり覆われるように着用することが大切です。

くれぐれも口だけを覆う「鼻出しマスク」や「顎マスク」にならないように。
まずはマスクのノースピースと呼ばれるワイヤー部分を鼻に当て、マスクの上から鼻をつまむようにして折り曲げ、自分の鼻の形に合うように調整してから、きちんと押さえつけます。

次に、鼻に固定したマスクのプリーツ(ヒダ)を顎までしっかり伸ばし、広げてから、紐を耳にかけます。そのあと、頬の部分などに隙間ができないように、マスクの両脇を軽く押さえて密着させたら、装着完了です。
マスクのプリーツを広げる際に、広げすぎてマスクを破らないようにご注意ください。

珍しい例だとは思いますが、マスクの裏表を間違えている方を見かけたことがあります。
ちょっと見ただけでは気づかないのですが、裏側が表にきてしまうと、マスクのプリーツを広げたときにできるポケット部分が上を向いいることで、「あれっ?」と気づきます。

ポケット部分が上を向いていると、空中のホコリやウイルスを含む飛沫がそのポケットに入り込んでくっつきます。そのままでは、そのくっついて汚れた状態のマスクを介して呼吸をすることになりますから、せっかくのマスクも予防効果が半減してしまいますので、ご注意ください。

マスクは1日1枚で使い捨て
マスクを外したら手指の消毒を

マスクを正しく着用していれば、塗沫感染対策としてはまずOKと考えがちですが、その飛沫に接触して受ける感染の観点から注意していただきたいことがあります。

着用しているマスクの外側(表面)には、ウイルスを含む飛沫がたくさん付着しています。
そのことを忘れて、マスクの外側を素手で無意識に触り、その手をそのまま口や鼻にもっていく、あるいはちょっとした「もったいない」意識から、一日中着用していたマスクを翌日も、場合によってはさらに次の日も使い続けるといったことはないでしょうか。

これではせっかくマスクで一度侵入を食い止めたウイルスをからだのなかに招き入れてしまうようなものです。つまり、接触感染です。

こうした事態を防ぐために、いったん外したマスクはそのまま使い捨てるのが理想です。
せめてシングルユース、つまり「1日1枚で使い捨て」を原則としたいものです。

仕事中に接客などで一時的にマスクを外すこともあるでしょう。
そんなときは、マスクの外側に付着しているウイルスを含む飛沫がマスクの内側に付着して、かけ直した際に飛沫と一緒にウイルスを吸い込むことがないように、専用のケースに一時的に保管することをおすすめします。

なお、マスクを外すときは、飛沫により汚染されている外側に素手で極力触れないように、紐の部分をもって取り外します。
外したらそのまま小さいビニール袋などに入れ、密閉してからゴミ箱に捨てます。

その後、忘れずに石けんと流水で手洗い、あるいはアルコール消毒薬を使って手指消毒をしておくことをお忘れなく。