新型コロナ対策でマスクを過信していませんか

マスク 感染

新型コロナウイルス感染拡大で
マスク姿が急増している

中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染症は、最初の感染者確認から1年を過ぎたというのに、今もって流行が衰える気配はなく、世界的に拡大しています。

この新型コロナウイルスについて、当初WHO(世界保健機関)は、
①これまでに確認されたことのない全く新しいウイルスである
⓶風邪から重症急性呼吸器症候群(SARS)などさまざまな疾病を引き起こす可能性がある
③動物が最初の発生源であると考えられる
ことを、すでに2020年1月20日の時点で発表していました。

これを受け、発生地の武漢市内はもとより、日本においても、街は感染から身を守ろうとするマスク姿の人であふれています。

しかしながら、人びとのマスクの着け方や取り扱い方をテレビ映像で見るかぎり、
「これでは、マスクを着用する意味がない」
「着用しているマスクがむしろ感染を受ける原因になってしまうのではないか」
と心配になる人が多く、とても気になります。

ということで今回は、飛沫による感染防止に効果的なマスクの着け方、取り扱い方などについて、改めて見直したい留意点のいくつかをまとめておきたいと思います。

不織布マスクで鼻と口を覆い
ウイルスの飛散・侵入を防ぐ

今回の感染症の原因である新型コロナウイルスをはじめ、病気を引き起こす可能性のあるウイルスは、「飛沫(ひまつ)感染」とその飛沫を介しての「接触感染」により感染します。

飛沫、つまりウイルスに感染している人が咳やくしゃみをした際に飛び散る細かい水滴、いわゆる「しぶき」には、ウイルスが含まれています。

このウイルス自体は非常に小さく、通常のマスクをきちんと着用していても、鼻と口からの侵入や空中への飛散を100%阻止するのは難しいようです。

しかし、実際に感染者が出す飛沫は、唾液や気道の分泌物がウイルスを包み込んでいるため、サイズ的には大きくなっています。

そのため、マスクで鼻と口をしっかり覆ってさえいれば、ウイルスを含む飛沫の体内への侵入や空中への飛散は100%とは言えないものの、ある程度は防ぐことができるとされています。

目が非常に細かい不織布マスクを

この場合に着用するマスクとして厚生労働省は、目の細かい不織布(ふしょくふ)製のマスク、いわゆるサージカルマスク(医療用マスク)をすすめています。

不織布というのは、文字どおり織ってない布のことを言います。
熱や科学的作用で繊維を密着させ、シート状の紙のように加工されていて、繊維や糸を織って作られている布やガーゼ類に比べ目が非常に細かいこともあって、不織布製マスクなら、飛沫による感染を、完全とは言えないまでも、ある程度防ぐことができるとされています。

なお、「不織布マスク」として売られている製品のなかには、品質に問題のあるものも出回っているようです。マスクを購入する際は、パッケージに「全国マスク工業会・会員マーク」があること、あるいはできるだけ日本製のものをおすすめします。

それと、同じ不織布マスクでも、2層以上のもの、できれば3層になっていて目が詰まっていて、形状的にも顔にフィットするものがいいでしょう。

不織布等のマスク代わりにフェイスシールドやマウスシールドを単独で使用する人が目立っている。しかし、スーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーション実験で、フェイスシールドもマウスシールドも、単独ではマスク代わりにならないことが確認されている。詳しくはこちらの記事を。
→ フェイスシールド・マウスシールド単独ではコロナ対策は不十分

「鼻出しマスク」を避け
マスクの裏表を間違えない

マスクを着用する際には、仮にあなたが感染者であれば、自分の咳やくしゃみに含まれるウイルスを周りに飛散させて感染を拡げないために(咳エチケット)、あるいは感染者でない方は病原性の高いウイルスを吸い込むなどして感染を受けるリスクを極力減らすために、口と鼻がしっかり覆われるように着用することが大切です。

その際、私たちが普通に呼吸しているときは、一度に吸い込む空気のほぼ9割は鼻から吸い込み、吐き出すときも同様にそのほとんどを鼻から吐き出していることを考えると、特に鼻をしっかり覆うことが大切になってきます。

くれぐれも口だけを覆う「鼻出しマスク」や「顎マスク」にならないように。

鼻出しマスクにならないマスク装着法

まずはマスクの、ノースピースと呼ばれるワイヤー部分を鼻に当て、マスクの上から鼻をつまむようにして折り曲げ、自分の鼻の形に合うように調整してから、きちんと押さえつけます。

次に、鼻に固定したマスクのプリーツ(ヒダ)を顎までしっかり伸ばし、広げてから、紐を耳にかけます。

そのあと、頬の部分などに隙間ができないように、マスクの両脇を軽く押さえて密着させたら、装着完了です。
マスクのプリーツを広げる際に、広げすぎてマスクを破らないようにご注意ください。

珍しい例ですが、マスクの裏表を間違えている方を見かけたことがあります。
ちょっと見では気づかないものの、裏側(肌が当たる側)が表だと、マスクのプリーツを広げたときにできるポケット部分が上を向いていることで、「あれっ?」と気づきます。

ポケット部分が上を向いていると、空中のホコリやウイルスを含む飛沫がそのポケットに入り込んでくっつきます。
そのままでは、そのくっついて汚れた状態のマスクを介して呼吸をすることになりますから、せっかくのマスクも予防効果が半減してしまいますので、ご注意ください。

マスクは1日1枚で使い捨て
マスクを外したら手指消毒を

マスクを正しく着用していれば、飛沫感染対策としてはまずOKと考えがちですが、その飛沫に接触して受ける感染の観点から注意していただきたいことがあります。

着用しているマスクの外側(表面)には、ウイルスを含む飛沫がたくさん付着しています。
そのことを忘れて、マスクの外側を素手で無意識に触り、その手をそのまま口や鼻にもっていく、あるいはちょっとした「もったいない」意識から、一日中着用していたマスクを翌日も、場合によってはさらに次の日も使い続けるといったことはないでしょうか。

これではせっかくマスクで一度侵入を食い止めたウイルスをからだのなかに招き入れてしまうようなものです。つまり、接触感染です。

こうした事態を防ぐために、いったん外したマスクはそのまま使い捨てるのが理想です。
せめてシングルユース、つまり「1日1枚で使い捨て」を原則としたいものです。

仕事中に接客などで一時的にマスクを外すこともあるでしょう。
そんなときは、マスクの外側に付着しているウイルスを含む飛沫がマスクの内側に付着して、かけ直した際に飛沫と一緒にウイルスを吸い込むことがないように、専用のケースに一時的に保管することをおすすめします。

なお、マスクを外すときは、飛沫により汚染されている外側に素手で極力触れないように、紐の部分をもって取り外します。
外したらそのまま小さいビニール袋などに入れ、密閉してからゴミ箱に捨てます。

その後、忘れずに石けんと流水で手洗い、あるいはアルコール消毒薬を使って手指消毒をしておくことをお忘れなく。