骨粗鬆症予防は骨粗鬆症検診の受診から

背骨が曲がる

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骨粗鬆症の早期発見に
早い時期から骨量チェックを

骨の健康トラブルとして真っ先に頭に浮かぶのは、骨折や関節内の軟骨部分が摩耗して起こる変形性膝関節症変形性股関節症ような病気でしょうか。

加えて、超高齢社会と言われる今の時代を反映して、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が更年期以降の女性を中心に増えています。東京大学の研究チームの推計によれば、日本の骨粗鬆症患者は1590万人ですが、そのうち1180万人が女性だそうです。

また最近は、減食ダイエットが原因の骨粗鬆症が若い世代の女性、時に男性にも増えていることが指摘されています。

骨粗鬆症は年配女性の病気と思っていないだろうか。一理はあるが、最近増えているのは20代、30代の女性。原因は減食ダイエットで、これは男性も避けられない。骨にスが入ってボロボロになり、骨折しやすくなる。予防には骨量を増やす食事と運動を。

骨粗鬆症とは、骨量(こつりょう)と呼ばれる骨の材料であるカルシウムなどのミネラルの量が減少して骨のすき間が増え、骨全体がもろくなってしまう病気です。

骨がもろくなると、折れやすくなります。つまり骨折です。また、背骨が自分の体重を支えきれなくなり、背中が曲がってきたりもします。いわゆる「猫背(ねこぜ)」です。

猫背の状態を続けていると、背中だけでなく腰も伸びにくくなり、ついには「円背(えんぱい)」と呼ばれる状態になって、つまづいて転びやすくなったりもします。

骨粗鬆症は何の症状もなく静かに進行する

骨粗鬆症は歯周病などと並び「サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)」と言われるように、はじめはなんの症状もなく、深く静かに進行する病気です。

「立ち上がるときなどに背中や腰が痛む」とか「背中や腰がまるくなってきた」など、はっきり自覚できる症状が現れるのは、時期的には骨粗鬆症がかなり進んでしまった更年期を過ぎてからです。

骨粗鬆症による骨折などを減らすには、症状を自覚する前から、定期的に骨量(骨密度)をチェックして、早めに骨量の減少に気づき、予防の手を打つことが大切です。

市区町村で行われている
骨粗鬆症検診の受診を

最近は、たとえばエレコム 体重計 体組成計 のように、進化した家庭用体重計・体組成計のなかには、乗るだけで骨量をチェックできるものもありますから、これらを活用して骨量を定期的にセルフチェックしてみるのもいいでしょう。

しかしお勧めしたいのは、検査で明らかになった骨量などあなたのその時点の骨の状態に応じて、医師や栄養士などから食事や運動など日常生活における予防策について、直接指導を受けることのできる骨粗鬆症検診の受診です。

たとえば、老人保健事業の一環として国が市区町村に委託して行っている骨粗鬆症検診は、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の女性を対象に行われています。

それとは別に、多くの市区町村が、年齢枠を設けずに、また男性についても公的検診として独自の骨粗鬆症検診を行っています。最寄りの保健センターや保健所、あるいは自治体指定の医療機関で受けることができますから、保健センターなどに問い合わせてみてください。

検診結果に応じて
骨粗鬆症予防指導が受けられる

市区町村の骨粗鬆症検診では、一般に生活習慣や食事内容を書き込む「問診票」の提出と測定機器による「骨量(骨密度)検査」が行われています。

骨量検査として一般的に採用されているのは、足の踵(かかと)の骨に超音波を通して測定する方法です。放射線を使用しないため被ばくの心配がなく、妊娠中の方でも測定することができ、測定に要する時間は約5分ほどで、痛みはまったくありません。

市区町村によっては、専用の測定機器のある医療機関に依頼して、腰椎や大腿骨、手首など、骨折しやすい部位にエックス線を照射して骨をスキャンし、透過したエックス線の強度から骨塩定量、すなわち「骨密度」を測定する検査も取り入れています。

検診結果から「要指導者」に該当する方には栄養・運動指導を、「要精検者」には医療機関が紹介されるのが一般的です。

検診対象者には受診票が送られてきます。また、検診にかかる費用は、無料のところもあれば500円程度の負担が求められるところもあるなど、市区町村により微妙な差があるようです。

参考までに、厚生労働省の統計によれば、骨粗鬆症検診の受診率は全国平均で毎年5.0%前後と低く*、骨粗鬆症検診の受診率が低い地域ほど転倒などにより大腿骨骨折を起こしやすく、介護が必要になる傾向のあることがわかっています。

*骨粗鬆症の検診に関し、厚生労働省は2022年9月、検診対象者の拡充など、実施要項を見直す検討を始めている。

骨粗鬆症の予防に
1日3,4個のミカンを

ところで、骨の健康には、たんぱく質やカルシウム、マグネシウムといったミネラル類が欠かせないことはご承知の通りです。牛乳やチーズ類などの乳製品はカルシウム源、さらにはたんぱく源としても理想的です。

豆腐や厚揚げなどの大豆製品も、特に牛乳アレルギーがあるために乳製品からカルシウムを補給できない方には欠かせない食品です。骨ごと食べられる小魚、ひじき、わかめといった海藻類、さらには意外なところでは、小松菜や青梗菜(チンゲン菜)などの葉物野菜にも、カルシウムが多く含まれています。

カルシウムの体内での吸収率を高めるうえで必須とされるビタミンDは、日本人に不足しがちな栄養素ですが、その補給については、こちらをご覧ください。

「98%の日本人が骨の健康維持に必須のビタミンDが不足している」とのショッキングな調査結果が報告されている。その原因は、ビタミンDが体内で合成されるには日光が必須という特殊性にある。食事でビタミンDを補うと同時に十分な日光浴が必要だ。

これらの食品に加え、骨粗鬆症の予防に是非活用していただきたい果物として、みかんを紹介しておきたいと思います。

みかんの色素成分が骨の代謝を活性化

みかんの栄養効果としてすぐ頭に浮かぶのは「ビタミンC」でしょう。ところが最近は、ビタミンCと並び、あるいはそれ以上に注目されているのが、みかんに含まれている「β-クリプトキサンチン」と呼ばれる成分です。

β-クリプトキサンチンは、みかんのあの鮮やかな色のもととなっている成分です。ニンジンに多く含まれていて、特に目や皮膚、粘膜の健康に、また抗酸化作用により、体中のさまざまな器官が錆びつくのを防ぎ、正常な機能を維持できるように働いて、免疫力の強化にも大きく貢献しています。

さらに加えて、β-クリプトキサンチンがこのところ新たに注目されているのは、骨の代謝を助けて骨をつくる力を発動させ、骨の健康にプラスに働く効果が期待できる点です。

β-クリプトキサンチンを多く含む三ケ日みかん等を皮ごと

ただ、みかんと一口に言っても、さまざまな品種があり、品種が違えば、また同じ品種でも産地が違えば日照時間などみかんが育つ環境も異なりますから、成分が一様ということはありません。

β-クリプトキサンチンは糖度が高いみかんほど含有量が多く、とりわけ多いのは温州みかん(うんしゅうみかん)の「三ケ日みかん(みっかびみかん)」、あるいは「とびあみかん」「西浦みかん」「広島みかん」などです。

三ケ日みかん等に含まれるβ-クリプトキサンチンについては、機能性表示食品として消費者庁に届出を行い、その機能性(健康への効能)や安全性が担保されています。その効能としては、「骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康に役立つことが確認されています」と明記されています*。

三ケ日みかん等を1日3,4個食べると、骨代謝が活性化して骨粗鬆症の予防につながる効果が期待できると言われています。β-クリプトキサンチンはみかんの皮の部分に特に多く含まれているそうですから、よく洗って皮ごとジューサーにかけてジュースにして飲むというのはいかがでしょうか。

ホルモン補充療法に骨粗鬆症予防効果

更年期の女性の悩みであるホットフラッシュ(上半身や顔面のほてり・のぼせ・発汗)や気分の落ち込みといった更年期症状を和らげる切り札としてホルモン補充療法があるのはご存知のことと思います。

このホルモン補充療法には、骨密度を増加させて骨粗鬆症を予防する効果も期待できることがわかっています。詳しくはこちらを読んでみてください。

ホルモン補充療法には、更年期症状の改善のみならず骨粗鬆症や動脈硬化を予防する効果も期待できることが知られるにつれ、徐々に関心が高まっている。特に、50代、60代、そして70代からも、始める時期ややめどきへの問い合わせが多いと聞き、その辺りの話をまとめた。

参考資料*:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」