便秘解消にヨーグルトが苦手ならゆずゼリーを

柚子

便秘で悩んでいる高齢者は
女性より男性が多いようです

歳を重ねるにつれ、否応なく身体を動かすことが少なくなってきます。食事もあまりたくさんは食べられないし、入れ歯だったり、歯に何らかのトラブルがあれば、繊維成分の少ない、口当たりの良いものだけの食事になりがちです。

結果として、「いきまないと便が出ない」「排便は1日に1回あるが、量が少なく、排便した後も便が残っている感じがしてすっきりしない」「2日か3日に1度しか排便がない」といった症状が続いている方も少なくないのではないでしょうか。

いずれの状態も「本来なら体外に排出すべき糞便(ふんべん)を、十分量かつ快適に排出できない状態」という便秘の定義*¹に当てはまりますから、便秘の範疇に入ります。

日本人の便秘人口は、推計で1千万人を優に超えると言われ、総人口から換算すると、少なく見積もっても8人に1人が、程度の差はあるものの便秘に悩んでいることになります。

便秘に悩んでいるのは女性が多いという印象があります。確かに厚生労働省の統計を見ても、若い年齢層では男性より女性が多くなっています。

ところが、60歳を過ぎた頃から男性の数が徐々に増えはじめ、80歳以上になると完全に逆転し、男性が女性を上回るという結果になっています。便秘は、男女の別なく高齢者に共通の健康課題であると言っていいでしょう。

そこで今日は、この便秘の改善・解消策として、最近開発された「ゆず(柚子)」のゼリーを紹介してみたいと思います。

なお、長引く便秘の中には、明らかに病気によるものが少なくありませんから、一度必ず消化器内科などを受診することをおススメします。

高齢者は、男女の別なく便秘になりやすい要因が重なりがち。「たかが便秘」と軽視し、市販薬や民間療法で対応していると深刻な事態につながるリスクがある。どのようなときに医療機関を受診すべきなのか、とりわけ急を要するのはどのような症状がでたときなのかをまとめた。

便秘対策に欠かせない
腸内環境を整える「腸活」

自分でできる便秘の予防や改善・解消策として多くの人が取り組んでいるのは、腸に本来の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促して、腸内にたまっている老廃物、つまり便をすっきり排泄させる「腸活(ちょうかつ)」でしょう。

その一般的な方法としては、適度な運動を習慣づけることや、毎朝必ず朝食を摂ること、水分が不足しないことなどがあげられます。

なかでも欠かせないのが、便のカサを増やす「不溶性食物繊維」や便にねばりけを与えて腸の働きを活性化させる「水溶性食物繊維」を多く含む食品を意識して摂ることです。

具体的に言えば、不溶性、つまり水に溶けにくい食物繊維は、大豆などの豆類や玄米、きのこ類、ゴボウやセロリなどに多く含まれています。

一方の、水に溶けやすい水溶性食物繊維は昆布やワカメなどの海藻類、オクラや山芋、エシャレットといったネバネバ食品、アボカドやみかんなどに多く含まれています。

ただし、これらの食品を毎日の食事で過不足なく摂り続けるのは、食事が思うように進まなかったり、内臓機能が低下、あるいは歯や口腔内にしばしばトラブルを抱えることの多い高齢者には簡単ではありません。

そこでよくすすめられるのが、腸内環境を整えるうえで重要な働きをしてくれる、いわゆる善玉菌とされる乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれているヨーグルトです。

しかし便秘で悩むことの多い高齢者には、とかく乳製品である「ヨーグルトは苦手」という方が多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、ゆず(柚子)の果汁に水溶性食物繊維を配合して開発、商品化された「ゆずちゃんゼリー」です。

高知県の馬路村特産
「ゆずちゃんゼリー」

ゆずの産地として知られる高知県安芸郡にある馬路村(うまじむら)については、「ゆずの村ポン酢」や「馬路村のゆずこしょう」「ゆずの村ゆずドリンク」など、ゆずの果汁を使ったさまざまな特産品でお馴染みの方も少なくないと思います。

今回売り出された「ゆずちゃんゼリー」は、この馬路村農協と高知大学医学部の共同研究チームが、ゆず果汁に水溶性食物繊維のβ-グルカンを配合して完成させた一品です。

ゆず果汁そのものに腸内環境改善効果

高知大学医学部「馬路村ゆず健康講座」のホームページによれば*²、共同研究チームは「ゆずちゃんゼリー」の商品化に際し、ゆずの果汁そのものの成分分析を実施しています。

その結果、ゆずの果汁自体に、腸内の乳酸菌を増やして腸内環境を改善するといった、ヨーグルトに匹敵する効果があることが、マウスを使った実験で確認できたそうです。

「ゆずちゃんゼリー」で便秘がちな男女の便秘が改善

そのうえで、ゆず果汁の腸内環境改善効果をより強化する目的で、水溶性食物繊維のβ-グルカゴンを添付し、それをゼリー化させた試作品を作成。

この試作品を、便秘がちな男女に3か月間食べてもらい、その効果を検証しています。

その結果、ゆず果汁などが入っていないゼリーを食べた別のグループに比べ、顕著な便秘改善効果を確認できたそうです。

この便秘改善効果には男女差がないことも確認されています。

また、検査後に実施した血液検査や医師による問診の結果から、ゆずちゃんゼリーによる副作用が見られないことも確認されているということです。

■持ち歩くのに便利なスティックタイプ
「ゆずちゃんゼリー」の商品開発に取り組んできた研究チームは、頑固な便秘に悩む高齢者はもとより、若い女性にも便通改善に役立ててもらいたいとの思いから、手間をかけず手軽においしく食べてもらえるように、また女性がバッグなどに入れて気軽に持ち歩くことができるようにと、スティックタイプ(1包18グラム)に仕上げています。

■「ゆずちゃんゼリー」の購入は
この「ゆずちゃんゼリー」は、馬路村農協のホームページ*³から、また電話やFAXでも、さらには高知県南久保にある馬路村農協のアンテナショップ「Umaji」でも購入できます。

馬路村農協電話:0120-559-659(平日8:30~18:00、土曜日は17:00まで。日・祝日は休み)

ほかにもある便秘対策

なお、便秘の解消には、私たち日本人が伝統的に続けてきた和食でよく使われるマグネシウムを多く含む食材、たとえばひじきやこんぶ、納豆などの大豆製品が効果的であることも確認されています。

日本人の8人に1人は便秘もちだと聞く。この便秘解消に、必須ミネラルの「マグネシウム」が欠かせないという話をまとめた。マグネシウムは伝統的な和食から多く摂れるのだが、近年の欧米化した食事では不足傾向にある。便秘対策は、まずは食生活を見直すことから始めたい。

あるいは、「ヤクルト400W」のようなシンバイオティクスを取り入れてみるのも一法です。

人知れず便秘に悩む日本人は1千万人を優に超えると推計されている。特に高齢者に多いのだが、数ある対策のなかで、シンバイオティクス効果を期待できる「ヤクルト400W」を、「シンバイオティクスとは何か」と併せて紹介する。食事を工夫すればシンバイオティクス効果も……。

参考資料*¹:日本消化器病学会関連研究会編「慢性便秘症診療ガイドライン」
参考資料*²:高知大学医学部「馬路村ゆず健康講座」ウエブサイト
参考資料*³:馬路村農協ウエブサイト