がんの悩みは「がん相談支援センター」に相談を

電話相談

がん相談支援センターを
ご存知ですか

この先のこと、とりわけ「もしものとき」に受けたい医療やケアに関する自らの心づもりを、家族や医師ら医療・介護関係者と一緒に話し合うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の取組みは徐々にですが、広がりを見せているようです。

つい先日、この人生会議の進め方について、地域の方々を対象に簡単な説明会を開くことになったという訪問看護師の友人から、「あなたもちょっと顔を出してみない?」と誘われ、出席させてもらったときの話です。

ひと通りの説明が終わり、「何かご質問があれば……」となったとき、まだ中年と思しき女性が遠慮がちに手をあげ、こう尋ねてきたのです。

「食道がんで在宅療養をしている父が、今受けている治療のままでいいのかどうか迷っています。いつも訪問していただいている先生は、がんは専門外のようでして、セカンドオピニオンを受けたいと思っているのですが……」

これに対し友人は、「それでしたら、がん相談支援センターに相談されるのがいいと思います。最寄りの支援センターを後でお知らせしますね」と答えたのですが……。

会場からは「えっ、がん相談支援センターって?」という声がいくつもあがりました。

多くの方がご存知ないようでしたので、今回は、この「がん相談支援センター」についてポイントをまとめてみたいと思います。

がんに関する悩みなら
治療のことも仕事のことも

「がん相談支援センター」とは、がんに関するあらゆる相談に応じてくれる窓口です。

全国どこにいても、誰もが質の高いがん治療やケアを納得して受けることができるように、厚生労働省が一定の医療機関(がん診療連携拠点病院など)に設置を義務づけています。

病院によっては、がん相談支援支援センターの相談窓口に「医療相談室」とか「地域医療連携室」、あるいは「よろず相談室」等々、病院固有の名称を掲示しているところもありますが、そこには必ず「がん相談支援センター」と併記されているはずです。

厚生労働省によればその数は、全国のがん診療連携拠点病院405か所、地域がん診療拠点病院46か所、小児がん拠点病院17か所の、合計468か所となっています(2021年8月時点)。

この相談窓口には、がん治療の副作用やがんの痛み(がん性疼痛)に対する緩和ケアなど、がん治療やケアに詳しい看護師(がん看護専門看護師など)、さらにはがん治療に必要なお金の話や家族問題など生活全般のことを相談できる医療ソーシャルワーカー(MSW)などの専門スタッフが、「がん専門相談員」として相談を受け付けています。

数あるがん相談支援センターのなかには、社会保険や労務管理などの専門家である社会保険労務士と連携して、仕事を続けながらがん治療を受けたいという患者の就労相談や「職場にがんのことをどう伝えたらいいのか」といった相談に対応してくれるところもあります。

遺伝に関する相談も

数あるがんのなかには、家族性、つまり遺伝が関係するものもあります。

たとえば「母親が乳がんだが、遺伝するのではないかと心配だ」といつた悩みも、相談することができます。

この他、がん相談支援センターはこんな相談も受け付けてくれます。

  • 「がん」と言われてすっかり気が滅入っている。話を聞いてもらいたい
  • 家族ががんの診断を受けたが何をしてあげられるだろうか
  • 治療を受けたいが、副作用が心配
  • がん治療にかかる医療費が心配
  • がん治療を受けながら仕事を続けていけるのか
  • がんの痛みを和らげる緩和ケアやホスピスについて知りたい

その病院に通院歴がなくても
誰でも無料で相談できる

がん相談支援センターは、その病院に通院、あるいは入院している方は言うまでもなく、通院歴もないがん患者や家族、あるいは「自分はがん患者ではないが親友ががんになり、この先どのように接したらいいか」といった悩みを抱えている方も利用できます。

あるいはがん予防や早期発見について情報を求める地域の住民も、無料で利用できます。

相談支援は電話やeメール、あるいは面談で行われるのが一般的ですが、数は少ないものの出張相談を受け付けている相談支援センターもあります。

がん相談員と直接会うことになる面談については、その多くがプライバシーが保てるように用意された専用の個室で行われます。

また、「家族にまだ知られたくない」「職場にまだ公表してないから」、あるいは「担当医に内緒で相談に来た」などの理由から、特に希望すれば匿名で相談することもできます。

なお、「がん相談支援センター」は、相談をするところで、診断や治療に関する判断を求めるところではないことをご了承ください。

セカンドオピニオンについても

ところで、冒頭で紹介した中年女性が質問したセカンドオピニオンですが、がん相談支援センターには、「セカンドオピニオンを受けてみたいのですが。どこで受けられるのでしょうか?」といった質問が多く寄せられているようです。

セカンドオピニオンとは、直訳すれば「第二の意見」、つまり治療法などについて現在の担当医とは別の医師の意見を求めることです。

がん相談支援センターでは、患者本人から病状や治療法に関する情報を得たうえで、セカンドオピニオンの提示が可能な医師を紹介し、診療予約の方法なども説明してくれるようです。

治療法などについてセカンドオピニオン(主治医以外の意見)を聞いてみたいが、相談したい医師が遠方といった場合、オンラインで相談できるようになっている。セカンドオピニオンの基本と、この「オンラインセカンドオピニオン」の受け方について、ポイントをまとめた。

最寄りのがん相談支援センターの探し方

最寄りのがん相談支援センターは、国立がん研究センターがん対策情報センターのウエブサイトにある「がん相談支援センターを探すコチラ)」で検索することができます。

該当する支援センターを見つけたら、その病院のウエブサイトにアクセスして診療科や診療内容などをチェックし、自分が相談したいことについて情報が得られそうだと判断したら、電話などで連絡してみてはいかがでしょうか。

なお、ネット検索は苦手だという方もいるでしょう。

そんな方は、「がん情報サービスサポートセンター」に電話をすれば、がん相談支援センターを探す手伝いをしてもらえます。

  • 電話番号:0570-02-3410(ナビダイアル)/03-6706-7797
  • 受付時間:平日10時から15時(土日・祝日を除く)
  • ㊟相談は無料ですが、通話料は相談者負担となります。