セカンドオピニオンがオンラインでも受けられる

オンライン診療

自宅に居ながら
セカンドオピニオンを

自分が今受けている治療法について、あるいはこの先の治療方針について、セカンドオピニオン、つまり主治医以外の医師の意見を聞いてみたいと思うことはないでしょうか。

そんなとき、たとえばネット検索をしていて、この病院のこの医師に話を聞いてみたいと思っても、自宅から遠くて受診するのは難しいということもあるでしょう。

そんな患者の悩みに応えようと、このところ「オンラインセカンドオピニオン外来」を設置する医療機関が増えつつあります。

「オンラインセカンドオピニオン外来」とは、文字どおり、受診して診察室で直接対面しなくても、パソコンやスマートフォンを使ってオンラインで患者からの相談を受け、セカンドオピニオンを提供するという外来です。

セカンドオピニオンは「がん」だけに限ったものではありません。

がん以外の病気の治療法や手術の適否などについても相談することができます(相談可能な疾患については、各医療機関のホームページにある「セカンドオピニオン外来」にアクセスして確認してください)。

そこで今回は、このセカンドオピニオンの受け方について、対面による方法とオンラインによる場合それぞれのポイントをまとめておきたいと思います。

なお、オンラインによる一般診療(かかりつけ医)に関してはこちらをご覧ください。

慢性疾患で定期的にかかりつけ医の診療を受け、定時処方を受けている人には、この時期、新型コロナウイルスの感染リスクの高い医療機関に出掛けて行くのは不安だろう。この際、出掛ける必要のないオンライン診療、オンライン服薬指導を活用してみてはどうか。その方法をまとめた。

セカンドオピニオンを受けたいと
言われた主治医の気持ちは

セカンドオピニオンを受けるには、対面によるかオンラインによるかの別なく、現在自分が診療を受けている主治医(かかりつけ医)の了解を得る必要があります。

そのため患者としては、主治医はあまりいい気がしないのではないかと考えたり、主治医との関係が悪くなるのを心配して、セカンドオピニオンについて言い出せないでいる方が多いのではないでしょうか。

しかし実際のところ、そういった心配は、おおむね無用と考えていいようです。

8割以上の医師が「不快に感じない」と回答

臨床医を対象に「患者さんから他の医師の意見(セカンドオピニオン)を聞きたい」と言われたらどう感じますか」と尋ねたアンケート調査*¹が行われています。

この結果を見ると、8割以上の医師が「不快に感じない」と回答しているのですが、その理由としてあげられているのは、次のようなコメントです。

  • セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利だと思う
  • ご本人(患者)が納得することが重要だから

回答した医師からは、こんな意見も多かったようです。

  • こちらが患者さんにすすめることもある
  • むしろ他の医師の見解を自分も知りたい

ただ、「不快に感じる」と回答した1~2割の医師のなかには、「信頼されていないと感じる」といったコメントが少なからずあったとのこと。

また、「不快に感じる」のは「患者さんの言い方にもよる」とか「紹介状を書く手間がかかるから」といった意見もあったようです。

この点については、患者側としても、セカンドオピニオンの希望を伝える際に十分配慮すべきこととして頭に入れておく必要がありそうです。

なお、セカンドオピニオンを得たら、現在の病院に戻ってくることを説明すれば、紹介状を書いてもらいやすいとの説もあります。

セカンドオピニオンには
主治医提供の医療情報が必須

セカンドオピニオンは、自分が納得して治療を受けられるよう、医療情報をもとに診断や治療に関する意見などの提供を受けることが目的です。

セカンドオピニオンを行う医師は、あくまでも主治医からの診療情報提供書、いわゆる「紹介状」や検査所見、画像データなどの医療情報をもとに判断します。

そのため「セカンドオピニオン外来」や「オンラインセカンドオピニオン外来」では、新たな検査や治療、薬の処方は行われません。

また、対面、オンラインともに完全予約制ですから、相談医のスケジュール調整のため、申込みから予約日まで平均1週間はかかります。

特にオンラインの場合は、医療情報資料の郵送に時間がかかることがあり、場合によっては2~3週間を要することもあるようです。

提示された医療情報をもとにまとめられたセカンドオピニオンの報告書は、主治医に直接通知され、その報告書のコピーが相談者である患者さん、もしくはご族に渡されるといったケースが多いようです。

セカンドオピニオンの
対象とならない相談も

セカンドオピニオンの相談を受けることができるのは、主治医から病名や治療方針について説明を受けている成年の患者さん本人です。

原則患者さん本人に限られますが、やむをえず患者さんが相談できない場合は、患者さんによる相談同意書があれぱご家族(一親等以内であることを健康保険証などで確認できること)の相談も受け付けている医療機関が多いようです。

ただし、以下の場合は、多くの「セカンドオピニオン外来」「オンラインセカンドオピニオン外来」が、相談の対象外としています。

  • 患者の友人など、家族以外の方からの相談の場合
  • 患者の家族でも、患者による相談同意書が用意できない場合(18歳未満の未成年患者の場合を除く)
  • 医療機関が指定する医療情報資料(主治医による診療情報提供書および検査結果、CTやMRIなどの画像データ)を用意できない場合
  • 主治医がセカンドオピニオンを受けることを了承していない場合
  • セカンドオピニオン外来での相談と併せ、当外来での検査や治療を希望する場合
    (通常の手順で外来診療を受けることになる)
  • 現在受診している主治医に対する苦情、医療過誤の照会、訴訟に関する相談
    (例えば、「医療ミスがあったかどうか確認したい」「過去に受けた治療が正しいものであったかどうかを確認したい」など)
  • 医療費の内容、医療給付に関する相談の場合*
  • 死亡した方に関する相談の場合
*医療費に関する相談は、医療ソーシャルワーカーに相談するといいでしょう。
詳しくはこちらを。
→ 退院や医療費の相談は医療ソーシャルワーカーに

セカンドオピニオンは
保険適用外で全額自費

対面の場合もオンラインの場合も、セカンドオピニオンは保険診療ではなく、健康保険適用外の自由診療です。そのため。全額が自費となります。

その費用は、医療機関により異なりますが、以下がおおよその目安となります。

  • 対面によるセカンドオピニオンの場合
    相談時間 30分まで :33,000円(消費税込)
    相談時間 30分超60分まで:66,000円(消費税込)
  • オンラインによるセカンドオピニオンの場合(クレジットカードにて決済)
    相談時間 30分まで :44,000円(消費税込)
    相談時間 30分を超え60分まで:88,000円(消費税込)

オンラインセカンドオピニオン
申込みから相談終了までの流れ

オンラインセカンドオピニオンを受けるには、安定した通信環境が必要です。

具体的には、相談先(医療機関)のWebサイトで確認してみてください。

通信機器としては、フロントカメラとマイク付きパソコン・タブレット・スマートフォンなどの利用が可能です。

オンラインセカンドオピニオンの申し込みから実際に相談を受けるまでの流れは次のようになります。

  1. セカンドオピニオンをオンラインで受けたい旨を主治医に伝え、紹介状(診療情報提供書や各種検査資料)の提出を要請する
  2. 相談を希望するオンラインセカンドオピニオン外来のWebサイトから専用の申込書をダウンロードし、必要事項を記載、署名、捺印のうえ、指定の方法(FAXあるいは郵送・宅配便など)にて申込書を送付する
    (事前に専用アプリのダウンロードが必要な場合もある)
  3. 相談担当医と相談日時決定の連絡を受けたら、必要な医療情報資料などを追跡可能な郵便、または宅配便で送付する
  4. 予約当日は、予定時間の遅くとも5分前にはパソコン等を準備して待機する
  5. スムーズに相談を終えるには、漠然とした疑問ではなく、何を相談したいのかをよく考え、相談したいことを事前に箇条書きにしておくといい

診断や治療方針とは別の療養に関する相談は看護外来へ

なお、治療方針などとは別に退院後の療養生活に関する相談は、看護外来が対応してくれます。看護外来は、別の病院を受診している方でも、またとりたてて主治医の許可を得る必要もなく、気軽に利用できます。

詳しくはこちらをごらんになってください。

長期にわたり医療的かかわりが必要な、いわゆる「慢性疾患患者」の増加に伴い、その療養生活について個別支援を行う「看護外来」や「看護専門外来」に注目が集まっている。そこで受けられる支援の内容、予約の手続法、かかる費用などについて概要をまとめた。

参考資料*¹:MedPeer「セカンドオピニオン」に関する調査結果/2015.07.16