夜間の在宅介護をサポートしてもらいたいとき

介護

夜間の介護負担軽減に
夜間対応型訪問介護サービス

介護保険制度には、何かと不安な夜間に訪問介護員(以下、「訪問ヘルパー」)が自宅を訪ねてくれる「夜間対応型訪問介護」と呼ばれるサービスがあるのをご存知でしょうか。

要介護の状態になっても、24時間安心して自宅で最大限自立した日常生活を送ることができるように用意されているサービスで、「定期巡回(訪問)サービス」と「随時対応(訪問)サービス」の2種類があります。

定期巡回サービスでは、22時(夜10時)から翌朝8時までの夜間に、訪問ヘルパーが定期的に各自宅を巡回訪問して、1回30分程度、排泄の介助や寝返り介助、バイタルサイン(脈拍、呼吸数、心拍数等)のチェックや安否確認などを行います。

通報すれば訪問ヘルパーが駆けつけてくれる

一方の随時対応サービスでは、介護が必要となった利用者の通報に応えて、一晩に何回でも訪問ヘルパーが駆けつけてくれます。

夜間急に体調が悪くなり救急車を呼んでもらいたいとき、あるいはベッドから転落して自力では起き上がれないといった緊急時などに、オペレーションセンターのオペレーターを介して連絡を入れると、訪問ヘルパーが随時訪問して必要な支援をしてくれることになっています。

自宅で家族を介護している方にとっては、夜間の介護負担軽減と安心のために、すぐにも利用したいサービスではないでしょうか。

ただ、この夜間対応型訪問介護サービスを利用するには、いくつか条件があります。

今日はその辺の話を書いてみたいと思います。

「要介護1~5」の要介護者で
事業所のある地域住民に限定

介護保険で受けられるサービスには、全国一律のものと、「地域密着型サービス」といって、自分が住んでいる市区町村が指定した介護関連施設や事業所が、その地域の住民に限定して提供するサービスとがあります。

夜間対応型訪問介護は、地域密着型サービスです。

したがって、利用する事業所と同一市区町村の住民だけが利用できます。

居住地以外の地域、たとえば隣町にある事業所が実施している夜間対応型訪問介護が評判がいいから自分も受けてみたいと希望したとしても、原則、受けることはできません。

また、夜間対応型訪問介護を利用できるのは、要介護認定で「要介護1~5」の認定を受けた方に限られ、要支援1あるいは要支援2の方は利用できません。

また、利用できるサービス内容にも制限があり、概ね次のサービスは対象外となっています。

  • 利用者への直接的な援助に該当しないサービス
    例:利用者の家族のための家事の準備や来客への対応など
  • 食事・入浴・排泄といった日常生活上の介助の範囲を超えるサービス
    例:庭の草むしり、ペットの世話、大掃除、窓のガラス拭きなど

サービス利用にかかる費用は
2パターンに分かれる

気になる費用負担ですが、オペレーションセンターを設置している事業所を利用する場合と、オペレーションセンターを介さず訪問ヘルパーなどに直接通報する体制をとっている事業所を利用する場合とでは、利用時の負担料金が若干異なります。

オペレーションセンターとは、サービスを必要としている方からの通報を直接受けるところで、利用者約300人に1か所の割合で設置されています。

通報を受けとるオペレーターは、看護師やケアマネジャーなどの有資格者が担当し、通報内容からサービス利用者の心身の健康状態などを把握し、必要に応じて通報者にかかりつけ医への連絡を促すなどのアドバイスをしたり、訪問ヘルパーを派遣する役割を担っています。

このオペレーションセンターが設置されている事業所を利用する場合にかかる利用者負担額は、介護保険の自己負担が1割のケースでは、概ね以下のようになります。

  • 月額基本料金 1,013円
  • 定期巡回サービス費(1回につき)  379円
  • 随時訪問サービス費:1人で訪問(1回につき) 578円
  • 随時訪問サービス費:2人で訪問(1回につき) 778円

一方、利用者が少なく、訪問ヘルパーが利用者からの通報に十分対応できる体制にあるためオペレーションセンターが設置されていない場合の利用者負担額は、
月額基本料金(定額)として2,751円となります。

なお、介護費用が高額になる場合の公的支援制度「高額介護サービス費制度」についてはこちらを参照してください。

医療費に高額療養費制度があるように、介護サービスにかかる費用にも高額介護サービス費制度という負担軽減の仕組みがある。申請すれば、決められた自己負担上限額を超える額を給付してもらえるのだが、所得に応じた上限額がなかなか複雑だ。ポイントをまとめた。

医療対応が必要な場合は
夜間対応の訪問看護サービスを

ご承知のように、介護スタッフは医療対応(診療の補助行為)ができません。

そのため、サービス利用者が服薬管理や褥瘡(床ずれ)等の処置といった医療的ケアを必要とする場合は、訪問介護スタッフと訪問看護スタッフが連携して行う「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」サービスを利用することになります。

いずれにしても、夜間対応の訪問サービスの利用を検討したい場合は、担当のケアマネジャー、もしくは市区町村の介護保険担当課のスタッフに相談してみてください。

夜間の排泄ケアが必要な方は

介護認定を受けていて夜間の排泄ケアが必要な方は、介護保険を利用してレンタルできる福祉用具の「自動排泄処理装置」、あるいは「排泄予測支援機器」(こちらは購入)を活用することで、夜間対応の介護サービスを省略できることも考えられます。

詳しくはこちらを読んでみてください。

介護保険が適用になる福祉用具の1つに、排泄ケアを受ける側の遠慮や気遣いとケアする側の負担を軽減できる「自動排泄処理装置」がある。寝たきりの状態で使用でき、おむつからの解放も期待できるこの装置について、使用するメリットや介護保険適用の条件等をまとめた。
デジタル技術により膀胱内の尿量を推定して排尿のタイミングを予測し、通知してくれるデバイス「排泄予測支援機器」が特定福祉用具販売の対象に加わった。購入費用が介護保険給付の適用となるのだ。膀胱が正常に機能している人はこの機器を活用してトイレでの排尿自立を。