高い介護費には高額介護サービス費の申請を

書類に記入

介護負担が高額になったら
高額介護サービス費制度の利用を

高額な医療費を軽減できる公的制度があるように、介護保険の介護サービスにかかる費用についても、負担額が高額になったときに利用すると負担が軽減される「高額介護サービス費制度」があります。

介護保険の要介護認定を受けて訪問介護(ホームヘルプ)などの介護保険サービスを利用すると、かかった費用の1割(利用者に一定以上の所得がある場合は、所得額に応じて2割または3割)を自己負担分として支払うことになります。

この自己負担額の1カ月の合計が一定ラインを超えた場合、所定の申請手続きを行うと、超えた分の金額の支払い補助を受けられるのが、「高額介護サービス費制度」です。在宅でも施設入所でも、介護サービスを利用する方の経済的負担を軽くしてくれるうれしい制度です。

私たちは40歳の誕生日の前日から、健康保険料と合わせて介護保険料が請求されています。この介護保険料を毎月きちんと納めていれば、この制度を利用できます。「介護費が高くて家計に負担がかかりすぎる」という方は、この制度の利用を検討してはいかがでしょうか。

高額介護サービス費制度の
所得に応じた自己負担上限額

高額介護サービス費制度では、介護サービスを利用した個人あるいは世帯が、1カ月に負担する上限金額が決められています。

この額は利用者やその世帯の所得や課税状況などにより、以下の4段階に区分され、利用者負担の合計が決められた額を超えた場合に、その超えた分が高額介護サービス費として払い戻されるしくみになっています。

なお、第4段階に相当する一定収入以上の高所得者の負担限度額は、2021(令和3)年8月1日以降に利用されたサービス分より見直されていますので、ご注意ください。

第1段階:生活保護を受給している利用者等
世帯の自己負担上限額は月額15,000円

第2段階:世帯全員が市区町村民税を課税されていない利用者
(前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下)
負担上限額は世帯合計で月額24,600円、個人の場合は月額15,000円

第3段階:世帯内の誰かが市区町村民税を課税されている利用者
課税所得が380万円(年収770万円)未満の負担上限額は世帯合計で月額44,400円

第4段階:現役並み所得者世帯に属する利用者

  • 課税所得が690万円(年収約1,160万円)以上の負担上限額は世帯合計で月額140,100円
  • 課税所得が380万円(年収約770万円)~課税所得690万円(年収1,160万円)未満の負担上限額は世帯合計で93,000円

高額介護サービス費の申請には
2年以内という時効がある

介護サービスを利用すると、その利用状況などから、あなたが高額介護サービス費用の支給条件を満たしていると判断されれば、介護保険制度の運営主体(保険者)である市区町村から、支給が受けられる旨の通知書と申請書が届きます。

高額介護サービス費は、本人が申請しないと受けられません。保険者から通知があったからと安心してそのまま放置しないことが重要です。申請書が届いたら、すみやかに必要事項を漏れなく記入し、介護サービスを利用した際に支払った自己負担金の領収書を添付して、市区町村へ提出します。

高額介護サービス費は、介護サービスを利用した最初の月に申請しておけば、翌月からは市区町村で自動的に処理してくれますから、月毎に申請する必要はなくなります。

ただ、市区町村から最初に届く通知に通常は明記してあるのですが、この申請には時効があります。最初の通知を受け取ってから2年以内に申請しないと、高額介護サービス費の支給を受ける権利が消滅してしまうのです。

申請書の書き方で迷ったり、領収書を紛失するなどして必要書類を揃えられないときは、市区町村の介護保険担当窓口にその旨を相談して、忘れずに早めの申請を心がけたいものです。

医療費が高額になったときは

なお、医療費が高額になったときの軽減制度についてはこちらを参考にしてください。

医療機関で検査を受けたり薬局で処方薬を受け取って支払う医療費は、一部の自己負担分だけに抑えられるものの、高額になることも珍しくない。その負担が家計を苦しめないよう「高額療養費制度」が設けられている。この制度の利用方法についてポイントをまとめた。

医療費も介護費も高額になったときは

また、医療費も介護費も高額になった場合に、世帯が1年間に支払った介護費と医療費の負担額の一部を払い戻してもらえる制度もあります。この制度についてはこちらを。

在宅療養を続けていると医療費、介護費共にかなりの高額で、家計への負担が重すぎることがある。そんなときに積極的に利用したいのが「高額介護合算療養費制度」だ。世帯単位であること、毎年申請が必要なこと、2年間という事項があることなど、制度活用上の注意点をまとめた。