大病院を受診するときは紹介状を持参する

病院

紹介状なしで大病院を受診すると
特別料金を支払う羽目に

とかく私たちは、病気になったら大学病院のような名の知れた大病院にかかりたいと思いがちです。しかし、専門医療機関と呼ばれるような大きな病院を受診するには、かかりつけ医などによる紹介状が必要なことはご存知でしょうか。

紹介状なしでいきなり受診しても診察を断られることはありませんが、手続きなどが煩雑で、待ち時間が長くなります。しかも、公的な医療保険(健康保険)を使える通常の診療費とは別に、「選定療養費」と呼ばれる特別料金を請求されるというデメリットがあるのです。

その料金は、医療機関によって多少の違いはあるものの、初診の場合で7,000円以上(歯科は5,000円以上)、再診ならその都度3,000円以上(歯科は1,900円以上)が追加料金(全額が自費+消費税)として請求されるのです。

決して安い額ではないこの選定療養費を支払う羽目にならないためにも、選定療養費についておさえておきたいポイントをざっとまとめておきたいと思います。

紹介状がないと
特別料金を請求される大病院とは

ほかの医療機関やかかりつけ医などが発行した紹介状なしに受診すると、健康保険の効かない選定療養費を追加請求される大病院は大別して以下の3つです。

  • 高度専門医療の提供や研究、医療スタッフの研修を実施できる医療機関として厚生労働省が認定した「特定機能病院」。大学病院やがんセンターなどがこれに該当する。
    令和4年12月1日現在の全国特定機能病院一覧はこちら
  • 地域医療の中核となるベッド数が200床以上の「地域医療支援病院」
    令和5年9月1日現在の「地域医療支援病院」として承認を受けている全国の医療機関一覧はこちら
  • 紹介受診重点医療機関と呼ばれる200床以上の病院。ここでは外来で抗がん剤治療、放射線療法、短期滞在手術などが行われている
    令和6年5月10日現在の「紹介受診重点医療機関」として承認を受けている全国の医療機関一覧はこちら

選定療養費が免除されるケースも

なお、上記に該当する大病院については、かかりつけ医等の紹介状なしに受診した場合でも、以下の条件に該当するようなら、選定療養費が免除されることになっています。

  • 救急車で搬送された場合(平日、休日、夜間を問わず)
  • 休日と夜間を除き、紹介状なしに外来を受診したもののそのまま入院となった場合
  • 「難病法」「障害者自立支援法」「母子保健法」「生活保護法」などに基づく公費負担医療制度の受給者である場合(受給者証・医療証の写しの提出が必要)
  • 今回受診する診療科は初めてだが、同じ病院の別の診療科に通院している場合
  • 特定健診、がん検診など公的な制度に基づく健康診断の結果から精密検査の指示を受けて受診した場合(個人的に受けた人間ドッグの場合は除く)
  • 災害により被害を受けて受診した場合

紹介状の発行には
診療情報提供料が必要です

いわゆる大病院を受診する際に必要なかかりつけ医などによる紹介状は、正確には「診療情報提供書」と呼ばれています。

そこには、紹介する(受診する)患者の現在の病状や既往歴(これまでにかかった病気とその治療経過)、現在の病状に関して実施した検査とその結果、紹介する目的(必要と判断される精密検査、高度な医療、入院など)が記載されます。

このような紹介状があればかかりつけ医などから紹介先の医師にあなたの診療情報が引き継がれますから、改めて一から検査をし直す必要がなくなり、よりスピーディーに的確な診断のもと専門的かつ高度な治療をスタートさせることができるわけです。

紹介状を発行してもらうには、「診療情報提供料」として2,500円が必要となります。ただしこれには健康保険が使えますから、自己負担分が3割の方なら750円、2割なら500円、1割なら250円ですみます。

なお、セカンドオピニオンを求めるための診療情報提供書は、1通5,000円ですが、この場合も健康保険が有効です。セカンドオピニオンについて詳しく知りたい方は「セカンドオピニオンがオンラインでも受けられる」をご覧ください。

かかりつけ医をもつメリット

かかりつけ医のいない方は、最寄りの中小病院や診療所を受診して診察を受けたうえで紹介状を発行してもらうことになります。しかし、紹介状のためだけでなく、体調が思わしくないときにはいつでも気軽に相談できるかかりつけ医を決めておくことをおすすめします。

コロナ禍を体験した私たちは、かかりつけ医をもつことの具体的なメリットを否応なく体験させられ、その必要性を痛感している方も少なくないと思いますが、さらなるメリットについては「かかりつけ医を持つメリットをご存じですか」をご覧ください。