「かかりつけ医」を持つメリットをご存知ですか

日本茶

かかりつけ医には、
なんでも相談できる!?

最期のときまで自分らしく生き抜くために、終末期医療やケアに関する自分の希望を前もって事前指示書などに書き留めておくことをおすすめしていますが、その際は、適切な助言をもらえる「かかりつけ医」が何より心強い存在となります。

また、とりわけ「最期は住み慣れたこの家で……」と在宅死を希望している方の場合は、かかりつけ医を持つメリットは特別なものがあります。

その一例を、もしものときに救急車を呼ぶか否かという話のなかで紹介してありますので、是非読んでみてください。

在宅死を望んで療養していると、急変に見舞われることがあります。そんなときに救急車を呼ぶか否かは一つの課題です。「かかりつけ医」と相談して事前指示書に在宅死希望の旨を明記しておけば、仮に救急隊員が駆けつけても事前の意思が尊重されるはずです。

実は、これらの記事を読んだという友人から、先日、
「かかりつけ医は、君が言うほど本当に万能だろうか。むしろ僕としては最初からきちんと、病院の専門医に診てもらいたいと思っている」
などと、かかりつけ医では物足りないといった趣旨のメールが届きました。

これを読んでとっさに、「最近のかかりつけ医のことをわかっていないな」と思いました。
そこで今日は、「かかりつけ医」について、一般の方にはあまり知られていない側面を書いてみたいと思います。

かりつけ医最大のメリットは
継続して診てくれていること

ホームドクターと呼ばれることも多い「かかりつけ医」については、ちょっと気になる症状があったり、体調が思わしくないときにすぐに気軽に相談でき、必要なら専門医や専門の医療機関を紹介してくれる頼りになる医師、という説明が多いように思います。

確かに、かかりつけ医を持つメリットは、健康に関することであれば領域の別なく、なんでも気軽に相談できることです。

特定の領域に限られる「専門医」と異なり、総合的に診てもらえるということですが、それだけではありません。

むしろメリットとして大きいのは、自宅や職場の近くにいて、自分の健康状態を継続して診てくれていますから、何かあれば自分にとって最適と思われる対処法を迅速に考え、対応してもらえることです。

PS:この点については、2020年1月来、世界的に感染が広がっている新型コロナウイルス感染症に関し、たとえば風邪症状が続き、「感染を受けたかどうか気になるが……」といったときに、いつものあなたの健康状態を理解しているかかりつけ医の判断が大変役立っているとして、改めてかかりつけ医を決めようとする人が出てきていると聞きます。

かかりつけ医を持っていないと、突然身体に不調を自覚したときに、「病院に行くべきかどうか」「どこを受診したらいいのか」などと迷うことになりがちです。

そうこうしているうちに、病気が重症化してしまうということにもなりかねません。

それと、こんなことはあまりあってほしくないことですが、意を決して選択した病院やクリニックを受診したものの、そこでは対応してもらえず別の病院へ行くように言われてしまい、肝心の身体の不調にはなかなか対処してもらえないということもあるでしょう。

このようなリスクを避けることができるという点においても、総合的に診て、必要となれば専門医につないでくれるかかりつけ医は頼りになる存在なのです。

「かかりつけ医機能研修制度」により
信頼に足るかかりつけ医が増えている

いざというときに困らないためにと、厚生労働省も日本医師会も、かかりつけ医を持つことを広く国民にすすめています。

しかし、なかには先の友人のように、「なんでも相談できるというけれど、そんなに万能なはずがない」と、かかりつけ医に託せることに限界を感じている人も少なからずいるようです。

一部の人とはいえ、かかりつけ医に抱くこうした懸念を払拭するためにも、住民に信頼される医師を地域に増やしていこうと、日本医師会は2016(平成28)年4月から「かかりつけ医機能研修制度」を新たにスタートさせています。

この研修内容を見てみると、在宅医療、緩和医療、感染対策、フレイル(加齢による虚弱状態)予防、リハビリテーション、摂食嚥下障害、生活習慣病、認知症、栄養管理、医療倫理など、かなり広範囲にわたる医療をカバーしています。

加えて、症例検討の項目に「家族内の問題」を加えるなどして、心身の健康問題のみならず、患者の人間関係を含む生活全般を見ていけるような研修内容になっています。

研修修了認定医は公表されている

この研修制度では、座学による基本研修を受けたうえで、実地研修として、学校医や産業医として、あるいは地域の健康診断医を引き受けたり、訪問診療を行うなど、管轄地域の保健福祉活動に参加することが求められています。

3年間に上記の要件をすべて満たした医師には、都道府県医師会から研修修了証書、あるいは認定証(有効期間3年間)が発行されます。

2018(平成30)年10月現在の研修修了者は全国に約3900人いるとのこと。
医師会から発行された修了証書あるいは認定証は、在籍する医療機関において掲示することが認められていて、患者側がかかりつけ医のクリニックなどを受診した際に参考にすることができるようになっています。

また、ホームページ上での表示も認められていますから、かかりつけ医を探す際に選択基準の1つとしてチェックしてみるといいでしょう。

都道府県の医師会によっては、たとえば栃木県医師会*¹や群馬県医師会*²のように、かかりつけ医機能研修制度修了者が在籍する医療機関名、あるいは修了者名をホームページに掲載している医師会もあります。
最寄りの医師会のホームページをチェックしてみてはいかがでしょうか。

なお、こちらの記事でも書いていますが、かかりつけ医とは長いつき合いになります。
場合によっては家族全員の健康を託すことにもなりますから、自分と相性が合うかどうか、信頼できるかどうか、といったことも意識して選択されることをおすすめします。

最期のときに備えて事前指示書をまとめていくうえで、身近にいて、健康に関することはなんでも気軽に相談できる「かかりつけ医」は何より心強い存在です。できれば看取りまで託せるような信頼の置ける「かかりつけ医」を選ぶヒントをまとめてみました。

参考資料*¹:栃木県内「日医かかりつけ医機能研修制度」修了者一覧
http://www.tochigi-med.or.jp/residents/primary-care/kakari20190522.pdf
参考資料*²:群馬県内「日医かかりつけ医機能研修制度」修了者一覧
http://www.gunma.med.or.jp/PDF/prinary_doctor_H31.pdf