高齢者へのワクチン接種がいよいよ始まります

ワクチン接種

リバウンドの危機感強まるなか
新型コロナワクチン接種へ

ここ数日、関西地方を中心に新型コロナウイルスの新規感染者が増加し、リバウンド(感染再拡大)の危機感が強まっています。

そんななか、スケジュールが多少ずれ込んでいるようですが、待ちに待った高齢者への新型コロナワクチン接種が4月12日の週から段階的にスタートします。

使用されるのはアメリカの大手製薬会社ファイザー社がドイツのバイオ企業、ビオンテック社と共同開発したワクチンです。

このワクチンについては、報道などでご承知のように、EU(ヨーロッパ連合)の承認が必要という規制などがあり、供給量が厳しく制限されています。

そのため全国一斉にというわけにはいかず、自治体によってはスケジュールはもちろん接種体制等、状況もかなり違ってきます。

したがって、接種スケジュールや接種を受ける際に必要な手続き等の具体的な話は、自治体からのお知らせを参照していただくしかありません。

ここでは、接種前に知っておきたいことをまとめてみたいと思います。

新型コロナワクチン
この先の優先接種対象者

現在、新型コロナワクチンの接種が順次進んでいるのは、医療従事者や自治体等でコロナ対応に当たっている職員、救急隊員、自衛隊員等の、いわゆるエッセンシャルワーカーです。

続いて4月以降に予定されている優先接種の対象となるのは、以下に該当する方々です。

  • 令和3年度中(2022年3月31日まで)に65歳以上に達する、昭和32年(1957年)4月1日以前に生まれた高齢者
  • 高齢者以外で以下の基礎疾患で医療機関に通院あるいは入院している方
    ①慢性呼吸器疾患、②高血圧症を含む慢性の心疾患、③慢性腎臓疾患、④慢性肝疾患(脂肪肝、慢性肝炎は除く)、⑤インスリンや経口薬で治療中の糖尿病または糖尿病合併症、⑥鉄欠乏性貧血を除く血液疾患、⑦免疫機能が低下する疾患(治療中の悪性腫瘍*を含む)、⑧ステロイドなど免疫機能を低下させる治療を受けている、⑨免疫異常に伴う神経疾患や神経筋疾患、⑩神経疾患や神経筋疾患が原因で身体機能が低下した状態(呼吸障害等)、⑪染色体異常、⑫重症心身障害、⑬睡眠時無呼吸障害、⑭BMI(肥満度を表す体格指数)が30以上の肥満
  • 訪問看護ステーション、介護医療院、介護老人保健施設等の職員で、先の優先接種から外れた職員

*がん患者のコロナワクチン接種については専門学会が、接種を受けることを推奨しています。ただ、がん治療中の場合は、接種のタイミングについて、主治医と相談することを勧めています。

がん患者、特にがん治療中の患者の新型コロナワクチン接種に関し、がん関連専門学会がQ&Aをまとめ公開している。結論は、メリットがリスクを上回るとして接種を推奨している。ただ、治療法によっては、接種のタイミングなどに配慮が必要で、主治医との相談が必須とのこと。

新型コロナワクチン接種は
強制ではなく「努力義務」

新型コロナワクチンの接種に必要な費用は、全額が国の負担となります。
したがって、接種希望者は無料で受けることができます。

ただし公費負担だからと言って、今回のワクチン接種も予防接種法に基づいて行われている各種予防接種同様、強制的に行われるものではありません。

「国民は予防接種を受けるように努めなければならない」という「努力義務」ですから、ワクチン接種を受けるかどうかを最終的に決めるのは、接種を受ける本人または保護者です。

そのため、新型コロナワクチンについても、接種に際しては、接種を受ける個々にインフォームドコンセントを行うことが、医療者サイドには求められています。

つまり、「しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の、納得のうえでの同意がある場合に限り接種を行うこと」と、決められているのです。

一方のワクチン接種を受ける側に対し、厚生労働省は、
「ワクチン接種によって得られる感染の予防効果と副反応(副作用)のリスク双方について理解したうえで、自らの意思で接種を受けていただきたい」
とアピールしています。

厚生労働省がホームページに
「ワクチンQ&A特設サイト」

新型コロナワクチン接種を受けるか否かについて個々が考え、自己決定する際に役立ててもらおうと、厚生労働省は3月31日、ホームページに、
「新型コロナワクチンQ&A特設サイト」を新たにオープンし、以下の点を中心に最新情報を提供しています*¹。

  • みなさんが気になるトピックス
    Q:日本の新型コロナワクチン接種はどうなりますか
    Q:新型コロナワクチンの効果(発症予防、持続期間)はどうなりますか
    Q:変異株の新型コロナウイルスにも効果はありますか
  • ワクチン総論(ワクチン、予防接種とは/ワクチンにはどのようなものがあるのですか/集団免疫とは)
  • 新型コロナワクチンの安全性と副反応(ワクチンの安全性確保のための取り組み/これまでに認められている副反応/副反応による健康被害が起きた場合の補償はどうなっているのか/アレルギーのある人は副反応が起きやすいですか/アナフィラキシーではどのような症状が出ますか、また治療法は/過去にアレルギー反応やアナフィラキシーを起こしたことがある人が接種を受けても大丈夫ですか/接種後に熱が出たら……)
  • 接種の対象者や優先順位について
  • 接種を受ける方法について

なお、この特設コーナーでは、新型コロナワクチンの接種を受けるまでの一連の流れを6ステップにして、動画で説明しています。
是非チェックしてみてください。

気になるワクチン接種後の
アナフィラキシーの発生頻度

新型コロナワクチンの接種を受けるにしても、気がかりはワクチンの効果はもとより、接種後の副反応ではないでしょうか。

この副反応に関する疑問に、厚生労働省のQ&Aでは、次のように答えています。

  • 注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み等が見られることがあるものの、これらの症状の大部分は、接種後数日以内に回復している
  • まれな頻度*でアナフィラキシー(急性のアレルギー反応)が発生しているが、いずれも接種会場や医療機関ですぐに治療を行うことにより軽快・回復している

いずれにしても、ワクチン接種後は少なくとも15分間、アレルギー反応の既往のある方は接種後30分間は接種会場にとどまり、異変がないことを確認したうえで会場から立ち去ることが推奨されています。

なお、アレルギー反応の既往がある方や喘息などで治療中の方は、今回のワクチン接種を受けるかどうかについては、かかりつけ医などに相談したうえで、最終的には本人自身で結論を出すことをおすすめします。

*アナフィラキシーの発生頻度については、3月21日までに57万8835回の接種が行われているが、「アナフィラキシーの疑いがある」として報告された事例を国際基準で分析した結果、アナフィラキシーに該当したのは47件と報告されている。1万2316回に1件の割合ということになる*²。

ワクチン接種後の注射部位は揉まない

なお、ファイザー製ワクチンの接種方法は、筋肉注射です。

腕のうえのあたりの、筋肉が厚く太い血管や神経の少ない、上腕三角筋と呼ばれる部位に注射針を皮膚に直角に刺し、皮下脂肪のさらに奥にある筋肉に注射します。

針を抜いた後はその部位に消毒綿を当てて十分マッサージをすると、ワクチンの吸収を促すため、注射部位の痛みを和らげることができる、と説明している記事などを見かけます。

しかし、そのような確たるエビデンス(科学的根拠)はなく、注射部位は揉んだりマッサージしたりしないで、軽く抑える程度にしておくのがいいようです。

参考資料*¹:厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A特設サイト」

参考資料*²:厚生労働省「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」