禁煙治療は健康保険でも受けることができます

禁煙

今年の世界禁煙デーのテーマは
「肺の健康は禁煙から」です

毎年5月31日が世界ノータバコデー(わが国では「世界禁煙デー」)であることを、健康への影響を気にしながらも喫煙を続けている方はご存知でしょうか。

世界保健機関と国際共同組織は、今年のテーマを「肺の健康は禁煙から」と決め、
1.タバコが肺がん、慢性閉塞性肺疾患をもたらし、肺の健康を大きく損なうこと
2.肺がすべての人びとの健康の土台であること
の2点を中心に広く一般にメッセージを伝える機会とし、具体的には以下の項目について周知・啓蒙を図るべく行動することを呼びかけています。

  • 喫煙と受動喫煙が肺の健康に大きな影響をもたらすこと
  • 喫煙が肺の健康を損なうという情報を拡散する必要があること
  • タバコ使用により世界全体で慢性閉塞性肺疾患・肺がんなどでどれほどの死亡や障害がもたらされているかをリアルに伝えること
  • タバコ使用が結核を増やすという事実を広めること
  • 受動喫煙が胎児、小児、成人の肺と気管支に大きな影響をもたらすこと
  • 健康な人生を送るうえで肺の健康が必須であること
  • タバコ使用による肺疾患のリスクを減らすための適切で実行可能な対策を政府と市民に提案する必要があること

(引用元:日本禁煙学会ホームページ)

医療のサポートを受けながら
健康保険で禁煙治療を

わが国は、このところ減少傾向にあるとはいえ、いまだに喫煙者数がおよそ2000万人にのぼるという喫煙大国です。喫煙による健康被害は、今や医学的にも明らかにされ、その科学的根拠についてはさまざまな形、さまざまな場所で随時伝えられています。

しかしながら、そのことにあえて目を向けようとしない喫煙者、あるいはいったんは禁煙に挑戦したものの途中で挫折した喫煙者がまだまだ多いというのは残念の一言です。

タバコに含まれるニコチンには、「依存」という問題が伴います。
依存とは、一言で言えば「やめたくても、やめられない」ことですから、自力だけで禁煙しようとしても残念ながら途中で頓挫してしまいがちです。

幸いなことに私たちの国では、一定の条件を満たしさえすれば、健康保険を使って医療機関の禁煙外来でサポートを受けながら禁煙治療を受けることができるようになっています。
世界禁煙デーを機に禁煙を決意する方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために、その満たすべき条件について具体的に紹介しておきたいと思います。

健康保険による禁煙治療で
満たすべき3条件とは

健康保険で禁煙治療を受けるためには、以下に示す3条件のすべてに該当し、担当医がニコチン依存症の管理が必要と認めた場合に限り、12週間のうちに5回行われる禁煙治療に健康保険の「ニコチン依存症管理料」が適用されることになっています(資料:「禁煙治療のための標準手順書 第6版,2014」)。

  1. 「ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)」における得点が5点以上で、「ニコチン依存症」と診断された人
  2. 喫煙による健康リスクを示す「ブリクマン指数(1日に吸うたばこの平均本数×喫煙していた年数の数式で割り出す)」が200以上の人
  3. 直ちに禁煙することを希望し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺がん学会、日本癌学会および日本呼吸器学会により作成)に基づく禁煙治療の方法について担当医から説明を受け、その内容を理解し、納得したうえで、禁煙治療を受けることを文書により同意している人

ちなみに、健康保険が適用された場合の自己負担額は、治療に使用するニコチンパッチなど禁煙補助剤の種類や使用量などにより多少異なりますが、健康保険の自己負担割合が3割の方の場合で、12,000~15,000円となります。
全額自己負担の場合は、おおむねその2倍の30,000円ほどになります。

ニコチン依存症かどうかがわかる
スクリーニングテスト

上記3条件の1にある「ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)」は、以下の10項目の質問に「はい(1点)」「いいえ(0点)」で答えていく検査です。
全問答えたうえで、合計得点(「TDSスコア」と言います)が5点以上であれば「ニコチン依存症」と診断されるというものです。
質問に対する答えがいずれにも該当しない場合は、0点としてカウントされます。

  1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまったことがありましたか
  2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか
  3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか
  4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重の増加)
  5. 上記の質問でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか
  6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか
  7. タバコのために健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか
  8. タバコのために自分に精神的問題(いわゆる禁断症状ではなく、喫煙することによって神経質になったり不安や抑うつなどの症状が出ている状態)が起きているとわかっていても、また吸うことがありましたか
  9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか
  10. タバコが吸えないような仕事やつきあいは避けることが何度かありましたか

なお、禁煙治療に健康保険が使える禁煙外来・禁煙クリニックはコチラをご覧ください。