「エンシュア」を医師に処方してもらえない!?

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「エンシュア」の処方を
老健施設の医師に断られた

「最近の父は口からほとんど食べられなくなっている」と心配する友人がいます。胃瘻(いろう)のような人工栄養は頑として拒否するので困っていたところに、やっといいもの(エンシュア)があることを知り、お世話になっている老健施設*の医師に相談したら、ここでは処方できないと断られてしまった、とのこと。

父親に面会に行くたびに、心身ともに消耗の度合いが激しくなっていて心配だと話していた友人から、いささか怒り心頭気味のこんな電話が入りました。「病院なら処方してもらえると聞いたのに、老健施設はどうしてだめなの?」と――。エンシュア・リキッドの話です。

彼女にはつい先日、食が細くなり口からの食事だけでは十分な栄養を補えなくなってきた、あるいはつっかえ感があったりむせたりして満足に食べられなくなったときに、「エンシュア・リキッドやエンシュア・Hといった医薬品の総合栄養ドリンク剤を食事代わりにしている人がいる」といった話を伝えたばかりです。

*老健施設とは、介護老人保健施設のこと。公的な介護保険施設のひとつで、「要介護1」以上で自宅への復帰を目指す方に、医師による医学的管理の下に、リハビリテーション・看護・介護を提供する施設。入所期間が原則3~6か月程度と限定されている。

医療用医薬品の「エンシュア」は
医療保険の適用になるが

彼女がまくしたてるように話すのを聞いていて、「ああ、そう言われれば、説明不足だった!!」と気づかされたことがあります。彼女の父親が入所している老健施設は、医療施設ではなく、公的な介護保険施設だったのです。

病院などの医療施設であれば公的な医療保険を使うことができます。しかし介護保険施設は公的介護保険サービスで利用できる施設ですから、介護保険は適用になっても医療保険の適用からは外れます。

エンシュア・リキッドもエンシュア・Hも医療用医薬品ですから、入手には医師が発行する処方箋が必要で、処方箋があれば即、医療保険が適用になります。

エンシュア・リキッドの薬価は0.54円/mlですから1缶(250ml入り)135円、エンシュア・Hの薬価は0.95円ですから1缶(250ml入り)237.5円となり、その医療保険の自己負担分の3割あるいは2割か1割を支払えば手に入れることができるのです。

介護保険施設の老健では
「エンシュア」は医療保険適用外

ところが、公的な介護保険により運営が成り立っている老健施設のような公的介護保険施設となると、ちょっと話が厄介です。

介護保険施設にも常勤や嘱託の医師はいます。その医師に頼み、医師が必要と判断すれば、「嚥下障害により食事摂取が困難で、長期にわたり低栄養状態が続いている」ことなどを根拠に、エンシュア・リキッドやエンシュア・Hを処方してもらうことはできるはずです。

ところが介護保険では、施設入所者に提供されるもろもろの介護サービスにかかる費用は、全部まとめて一定額が支払われる仕組みになっています。そのなかには、「栄養マネジメント加算」と言って、、利用者個々の栄養状態を改善する目的で行われるサービスにかかる費用も含まれています。

低栄養状態にある入所者に医師がその必要性を認めれば、エンシュア・リキッドやエンシュア・Hの処方を受けることはできるのです。しかしその処方は、栄養マネジメントの一環として扱われるため、エンシュアにかかるコストは施設側が負担することになります。

この負担が生じることを嫌って、残念ながら医師によるエンシュアの処方は「できない」とする施設が少なくないのが現状と聞きます。友人の話は、おそらくこのケースでしょう。

介護医療院なら
介護保険も医療保険も使える

介護保険施設で医療保険も使えるようになればこの問題はクリアできます。そこで思い出していただきたいのが、2018年4月から稼働している「介護医療院」という名の施設です。ここでは介護保険のサービスと並行して医療保険のサービスも同時に受けることができるという、新しいタイプの医療施設です。

2018年4月から開設されている「介護医療院」は、要介護高齢者が介護サービスと併行して医療サービスも受けながら、看取りのときまで暮らすことができる新しいタイプの施設です。いわゆる特養などとの違い、入居条件など、簡単に紹介してみました。

医療施設ですから、ここに入所できて「栄養障害」などという病名がつけば、医薬品であるエンシュア・リキッドやエンシュア・H等を医師に処方してもらうことができます。この場合は医療保険が適用されますから、医療保険の自己負担分だけ(1割~3割)でOKとなります。

とは言っても、介護医療院制度はまだスタートしたばかり。厚生労働省の直近の報告によれば、2023(令和5)年8月25日の時点で、介護医療院は全国に794施設開設されているものの、総ベッド数は4万6848床にとどまっています。

しかも、友人の父親が現在入所中の老健施設がある神奈川県内の介護医療院の病床は931床とまだ少なく、簡単に「介護医療院に移れば……」などと無責任な話もできません。

「エンシュア」の代替品として栄養補助剤を

結局友人には、エンシュア・リキッドやエンシュア・Hの代替品として、「少し高くつくことになるけど栄養補助食品として薬局やインターネットでも購入できるメイバランスやプロシュアなどを、かかりつけ医に相談して使ってみてはどうかしら」と話したところです。

参考までに、メイバランスmini にはコーヒー味、バナナ味、ブルーベリー味など8種類の味があり、1パック(125ml)200Kcal、たんぱく質7.5gのほか、不足しがちなビタミン・ミネラルも豊富に配合されているのが特徴です。

食が細くなったとか、食事中にむせたり咳き込むことが多くなるなど、食事だけでは十分な栄養を補えないものの経腸栄養剤の処方を受けられないときに頼りになるのが市販の栄養補助食品だ。今回は歯の治療で満足に食事を摂れない経験を生かし、明治メイバランスを試飲してみた。
明治は2021年に、メイバランスminiをさらに濃縮した『明治 メイバランス ぎゅっとMini 』を新発売している。こちらは1本100mlとコンパクトながら、同じ200kcalを摂ることができる。「125mlは飲み切れない」という方でも100mlなら飲み切れるのではないだろうか。また、コーヒー味、ミルクティー味、ストロベリー味、ミックスフルーツ味の4種類があり、そのときの気分に合わせておやつ感覚で飲むことができる。

すっきりクリミール いろいろセット も、1パック(125ml)200Kcalの飲み切りタイプで、たんぱく質7.5gなど、しっかり栄養補給できます。

またプロシュアは飲みやすいバナナ味で、1ボトル(220ml)280Kcal、たんぱく質14.6gと多く、さらにn-3系脂肪酸であるEPA/DHAも効率よく摂取できるうえに、食物繊維、亜鉛、鉛の含有量にまで配慮が行き届いているのが特徴です。

たくさん食べられないがカロリーは欲しいという方は、1パック(100ml)でご飯2膳分のエネルギー(400Kcal)とたんぱく質もゆで卵2個分を補給できるテルモ 超高濃度栄養食 アップリード もおすすめです。

なおエンシュアについては、こちらの記事もお役に立てると思います。

エンシュア・リキッドを食事として栄養を確保しているがん患者や高齢者が増えている。必要な栄養素がバランスよく配合されていて、味もバニラ味、コーヒー味など何種類か用意されているのだが、もともとの栄養価を下げずにおいしく飲むには少しの工夫も必要だ。