コーヒーはホットで飲むなら「少しぬるめ」を

コーヒー

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国際がん研究機関が
コーヒーの発がん性を否定

毎年10月1日は「国際コーヒーの日」とのこと。街のコーヒーショップには、キャンペーンを予定しているところもあるようです。

コーヒーについては、すでに四半世紀ほど前になりますが、WHO(世界保健機関)の外部組織でフランスに本部を置く「国際がん研究機関」、通称IRAC(International Agency for Research on Cancer)が、発がん性に関する警告を発したことがありました。

「一部のがん」と断りをいれたうえで、「コーヒーには発がん性の可能性がある」ことを発表したのです。

これには世界中のコーヒー通が驚き、以来、多くの人が、「あまり飲み過ぎるとがんになるのでは……」などと気にしながらコーヒーを飲んでいたものです。

肝臓がんや子宮がんの発がんリスクを減らす

ところが2016年6月、IRACはこの警告を覆し、「コーヒーに発がんの可能性を示す決定的な証拠はない」とする研究結果を発表し、多くのコーヒー党をホッとさせてくれました。

加えてそこには、肝臓がんや子宮がんについて言えば、コーヒーはむしろ発がんリスクを減らすといった、コーヒー通には嬉しい研究結果が添えられていたのです。

発がん性の危険があるのは
コーヒーの成分ではなく温度

コーヒーそのものの発がん性が否定されホッとしたものの、これで安心して好きなだけコーヒーを飲んでいい、ということにはなりませんでした。

コーヒーの発がん性を否定する朗報を発表したIRACの当時の所長、クリストファー・ワイル博士が、こんなことを付け加えていたのです。

「発がん性の危険があるのは、コーヒーの成分ではなくホットコーヒーの温度と思われる。これはホットコーヒーに限ったことではなく、あらゆる種類のホットドリンクに共通して言えることである」

つまり、「非常に熱いホットドリンク」を飲み続けていると、食道がんを引き起こすリスクがあると、警告したのです。

ホットドリンクは65度以下に

この場合の「非常に熱いホットドリンク」の温度は、65度以上とのこと。

したがって、ホットコーヒーも65度以下であれば発がん性を気にする必要はない、というのがワイルド博士以下、研究チームの見解でした。

「65度以下」と言われても、コーヒーを飲むたびに温度計でチェックするわけにはいきませんから悩むところです。

コーヒーは、焙煎後のコーヒーの成分を余すところなく引き出すにはできるだけ熱めのお湯で淹れるのがいいと言われていますから、淹れたては90度以上はあるかと……。

その淹れたてのコーヒーが入ったカップに両手を添えたままじっとしていられるぐらいまで冷めていれば、65度以下になっていると考えていいようです。

自分がいつも飲んでいるコーヒー等のホットドリンクは、熱すぎないかどうか、つまり65度を超えていないかどうか、一度タニタ 温度計 料理 を使ってチェックし、舌に覚えさせておくのもいいのではないでしょうか。

コーヒーをよく飲む人は
肝臓がんの発症率が低い?

コーヒーの発がん性については、IRACの発表がある前の、2005年という早い時期に、国立がん研究センターのがん予防研究チームが非常に興味深いことを突きとめていました。

コーヒーの摂取量と肝臓がんの発症率の関連性を調査した研究で、コーヒーをよく飲んでいる人はほとんど飲まない人と比べ、肝臓がんの発症率が低いことを確認していたのです。

ただ、残念なことにこの研究では、肝臓がんの発症に関連があるとされている「アルコール飲酒」や「喫煙」の影響については検討されていませんでした。

そのため、コーヒーの摂取量だけで肝臓がんとの因果関係を評価することはできないとの考えから、一般に広く知らされるところとはならなかったようです。

WHOの外部研究組織は3年前、「コーヒーに発がん性を示す確かな証拠がない」ことに加え、肝臓がんと子宮がんに限っては「発がんリスクを減らす効果がある」と発表した。コーヒーポリフェノールの健康効果だが、この効能を高めるコーヒーの飲み方をまとめた。

コーヒー豆のクロロゲン酸が
活性酸素による「さび」を防ぐ

とはいえこの研究結果には、注目すべき点がありました。

「コーヒーにはクロロゲン酸をはじめとするさまざまな抗酸化物質が大量に含まれていて、それらが肝臓のがん化を抑えている」との見解が盛り込まれていたのです。

クロロゲン酸とは、ポリフェノールの一種で、私たちが飲んでいるコーヒーの色(褐色)や香り、酸味、苦みのもととなっている成分ですが、脂肪の蓄積を抑制するダイエット効果が期待できることでご存知の方も多いのではないでしょうか。

ご承知のように、植物の樹皮や表皮、種子に含まれるポリフェノールと呼ばれる色素成分には、抗酸化作用があります。

ポリフェノールはその抗酸化作用により、体内で増えた活性酸素によってからだの機能が「さびつく」のを防ぎ、正常に機能し続けるように働いてくれるのです。

コーヒー豆を買うなら浅煎り豆を

コーヒーの生豆には、このポリフェノール「クロロゲン酸」が多く含まれています。

この生豆を焙煎(ロースト)、つまり火で煎って使用しているわけですが、クロロゲン酸は熱に弱く、焙煎の過程でかなりの量が失われてしまうことがわかっています。

そのため、同じ一杯のコーヒーからクロロゲン酸をより多く摂取するには、低温で焙煎した浅煎りのコーヒー豆で淹れたコーヒーを飲むのがいい、つまりコーヒー豆を購入する際には「浅煎り豆を使用」と表示してあるものを選ぶといい、ということになります。

最近はインスタントにも、浅煎りの豆を使ったものが市販されています。

また、「コーヒークロロゲン酸を高濃度に含む」をキャッチフレーズにした特定保健用食品(トクホ)の缶コーヒーも出回っています。

クロロゲン酸のことも頭に置きつつ、時と場所に合わせてコーヒーを選び、あなた好みのコーヒータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。