究極の緩和ケアとしての終末期セデーション
この国では現時点で安楽死は認められていませんが、混同されがちなのが「終末期セデーション」による逝き方です。意識レベルを下げる薬を使い鎮静を図る治療法で、緩和ケアの最終手段として行われることが多いのですが……。
この国では現時点で安楽死は認められていませんが、混同されがちなのが「終末期セデーション」による逝き方です。意識レベルを下げる薬を使い鎮静を図る治療法で、緩和ケアの最終手段として行われることが多いのですが……。
あるテレビドラマで描かれた「逝き方」を見た患者から、「あんなふうに安楽死をさせて」と懇願され、困った訪問看護師さんの話を紹介します。尊厳死と安楽死はまったく別のものであり、この国で安楽死は法的に認められていないのですが……。
「自分の人生をどう締めくくりたいか」を事前の意思として表明していても、最期のときにその意思が尊重されないこともあります。そんな事態を避けようと、今医療現場で「アドバンス・ケア・プランニング」という取り組みが始まっていることを書いてみました。
選択して「✔」するだけの「事前指示書」では、自分らしさを書き込めずに物足りない方もいます。そこで今回は、自由記述式のエンディングノートとして、「私の生き方連絡ノート」を紹介してみました。自分の意思は自分の言葉で伝えたい方はどうぞ。
高齢になり、自らの終末期に備えて事前指示書の作成を考えた知人に、無料で入手できる国立長寿医療研究センターの事前指示書を紹介しました。シンプルですが、受けたい医療、拒否する医療を考えておくきっかけなるはずです。
「延命措置」は一つではありません。いざというときに自分の意思が尊重されるように、希望する措置と拒否する措置を明記し、同時に代理意思決定者を指名した「事前指示書」を準備したい。その一例として『私の四つの願い』を紹介してみました。
「尊厳ある自然な死」を選択する一手段に、「リビング・ウイル」の表明があります。日本尊厳死協会の「尊厳死の宣言書」を例に、その内容と、いざというときに医師は、本人の意思を受け入れてくれるのかどうか、調べてみました。
1987年にニューヨークで亡くなった千葉敦子さんの生き方が、30年以上が過ぎ、「死への準備」の重要性が叫ばれる今になり、改めて注目されています。アドバンス・ケア・プランニングの観点から、思うことを書いてみました。
女優の樹木希林さんの最期は、彼女の生き方そのままに覚悟のある死と、私には映りました。どうすればあんな見事な逝き方ができるのか。その答えは「事前指示書」に基づく「アドバンス・ケア・プランニング」にあるように思います。