新型肺炎の感染が気になるときは、まずはかかりつけ医に電話で相談を




病院の医師

感染が広がる新型コロナウイルス
日本人男性が国内で感染

中国湖北省の武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、いっこうにブレーキがかからないまま、日本時間の1月29日午後時点で、中国本土を除く18の国と地域で88人の感染者が確認されています。

中国当局は、本土で確認された感染者だけで5900人と発表しています。
武漢市内の病院に発熱や咳などを訴える患者であふれている映像を合わせ考えると、新型コロナウイルスの感染者は、2003年のSARS(サーズ、重症急性呼吸器症候群)の際の感染者、およそ8000人をすでに超えているのではないかと推測されます。

日本国内でも、30日午前8時には前日武漢市からチャーター機で帰国した206人のうち3人の新型コロナウイルス感染者が確認されたこと、うち2人は無症状病原体保有者(症状はないもののウイルス検査で陽性だった)ことを厚生労働省が発表しています。

国内においても感染者がじわじわと増え続けていることに、改めて脅威を感じます。
とりわけ深刻なのは、国内で確認された6人目の感染者が、新型コロナウイルスの発生地、武漢市への渡航歴がない奈良県在住の60歳代の日本人男性だったことです。

新型コロナウイルスの
人から人への二次感染が国内でも

厚生労働省の発表*¹によれば、この男性はツアーバスの運転手で、今月8日から11日と、12日から16日の2回にわたり、武漢市からのツアー客を乗せて大阪―東京間を行き来していたとのこと。
途中、山梨県や奈良県に立ち寄ったとする報道もあります。

日本国内で、武漢市への渡航歴がない人の感染が確認されたのは初めてのこと。
また、日本人で新型コロナウイルスの感染が確認されたのも初めてです。

厚生労働省は、この男性が武漢市からのツアー客と接触があったこと、それもバスという換気状態が良好とは言えない空間で多くのツアー客と長時間一緒に過ごしていたことなどから、男性は人から人への二次感染により感染を受けた可能性が高いとする見解を明らかにしています。

新型コロナウイルスが人から人へ二次感染する可能性があることは、WHO(世界保健機関)が早い段階から指摘していました。

しかし、実際に日本国内でも人から人への感染が起きた可能性があることをニュース報道などで知り、発熱や咳などの症状があったりすると、「もしかしたら自分も感染を受けたのではないだろうか……」と不安に陥っている方もいるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスによる肺炎が
「疑われる」と診断される条件

新型コロナウイルスによる肺炎などが「疑われる」と診断する条件として、国は以下の2点の両方を満たすことをあげています。
1.発熱(37.5度以上)かつ咳などの呼吸器症状がある
2.上記症状が出る前、14日以内に中国湖北省または浙江省への渡航歴がある、あるいは「湖北省または浙江省への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状のある人」と接触している

上記の条件に該当する状態にあり新型コロナウイルスの感染が疑われる場合、または湖北省または浙江省への渡航歴はないが上記2の濃厚接触の観点から心配というときは、ひとまず、あなたの持病や日頃の健康状態を把握してくれているかかりつけ医に、感染を疑う理由を話して相談してみるといいでしょう。

その理由として語られる体調の変化がいつもと違うとかかりつけ医が判断すれば、そのうえで、最寄りの保健所の「帰国者・接触者相談センター」*²、あるいは居住地の都道府県もしくは市区町村が設置している専用ダイヤル*³に電話して、どこの医療機関を受診すべきか指示を受けることになります。

厚生労働省も1月28日から、新型コロナウイルス感染が疑われる人を対象に、相談窓口としてコールセンター(2月7日よりフリーダイヤル0120-565653)を設け、土日休日を含む毎日9時00分~21時00分、相談を受け付けています。

加齢性難聴などの聴覚障害のある方や電話での相談が難しという方向けに、
FAX03-3595-2756での対応もしています。

しかし、全国からの相談があまりに多く、パンク状態にあるようですから、対応の迅速さからも、まずはかかりつけ医に電話やメールなどで相談し、必要となれば最寄りの保健所などに相談してみることをおすすめします。

中国武漢市との接点はないが
37.5度以上の発熱や咳が続くとき

一方で、今はインフルエンザのシーズンですから、
「武漢市に旅行したこともないし、武漢市からの旅行客などに接したこともないが、37.5度以上の発熱が2、3日続いていて、咳も出ている」
といった状態で、新型コロナウイルスのことが気になるという方もいるでしょう。

このような場合は、かかりつけ医や最寄りの医療機関に、まずは電話で具体的な症状や気がかりなことを相談してみることをおすすめします。

その上で、「診察してみましょう」ということになったときは、忘れずにマスクを装着して、指定された時間に、指定された入り口からクリニックなり病院なりに入るようにします。

インフルエンザであれば、多くの場合は迅速診断キットを用いてインフルエンザウイルスの存在をチェックすることにより、すぐに診断がつきます。

新型肺炎の疑いがあると
診断されたときの入院、治療

万が一にですが、この診断で、新型コロナウイルスによる肺炎が疑わしいと診断された場合のことも触れておきたいと思います。

ご承知のことと思いますが、新型コロナウイルスによる肺炎は1月28日の閣議にて、感染症法に基づく「指定感染症」および検疫法に基づく「検疫感染症」に指定されています。
その政令は、もろもろの手続きを経て、2月1日から前倒しで施行されています。

「指定感染症」に指定されたことにより、新型コロナウイルスによる肺炎の疑いがあるとの診断を下し、検査にて感染が確認された場合、その患者を診察した医師は、直ちに保健所にその旨を報告することが義務づけられています。

同時にその患者は、感染症対策に必要な設備や専門医療チームなどが整っている最寄りの感染症指定医療機関に入院して治療を受けることになります。

この場合の指定医療機関への移動は、保健所にある感染症患者専用の搬送車両、あるいは救急車で搬送されることになります。
くれぐれも自分の意思で、公共交通機関を使って移動することのないように!!

また、この入院治療にかかる医療費は、各自治体の判断のもと、公的医療保険の自己負担分が公費で負担されますから、安心して入院治療を受けることができるようになっています。

新型コロナウイルスによる肺炎などの感染症が「指定感染症」および「検疫感染症」に指定された件の詳細については、こちらの記事を読んでみてください。

新型肺炎が「指定感染症」に 感染拡大防止に万全を 中国湖北省武漢市で発生し、世界的規模で感染が拡大している新型…

参考資料*¹:新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について(6例目)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09153.html

参考資料*²:最寄りの保健所は、厚生労働省のこちらから検索できます
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/

参考資料*³:都道府県・保健所等による電話相談窓口
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/corona_news.html