サプリメントに頼りすぎて食事が疎かでは?

サプリメント

健康食品・サプリメント常用者に
医師会が警告メッセージ

健康食品としてのサプリメントの利用者は年々増加傾向にあります。

消費者委員会による直近の調査結果を見てみると、50歳以上のほぼ3割が、何らかの健康食品・サプリメントを「ほぼ毎日利用している」とのこと。
「たまに利用している」を加えると、その数は約6割に及ぶことが明らかになっています*¹。

この調査では、利用している健康食品・サプリメントに対する満足度も尋ねています。

この質問に対しては、「不満」「やや不満」と回答している人の8割が、
「期待していたほどの効果がなかった」と感じているとしています。

なかには「体調が悪くなった(悪くなったと感じた)」人も、割合としては極めて少ないものの、確かにいることもわかっています。

こうした事態を深刻に受け止めた日本医師会は、ホームページ上で国民向けに次のようなメッセージを発信しています。

あなたは、「健康食品」やサプリメントを摂りすぎてはいませんか?

「健康食品」には、成分を濃縮していたり、医薬品の成分を含んでいるものも、多くあります。
効果を期待して摂りすぎたりすると、危険性も増します。
また、服用している医薬品との相互作用で、思わぬ健康被害が発生することもありえます。
体に不調を感じたら、すぐに、かかりつけの医師にご相談を!
そして、医師に、「健康食品」やサプリメントを摂っていることをきちんと伝えましょう。
また、三度の食事をきちんとバランスよく食べることが、大事です。

引用元:日本医師会ホームページ*²

サプリメントは薬に代われない
「食品だから安心」とも言えない

「サプリメント」は、「医薬品」とは異なるカテゴリーの「健康食品」の一つです。

明らかに薬の代わりになるものではないからでしょうか。

健康食品にもサプリメントにも、今のところこれといった法律上の定義はありません。

毎日の食事で摂っているふつうの食品よりも、「健康によい」「健康の保持増進に役立つ」「病気の予防に効果がある」として市販されているものをすべてひっくるめて、「健康食品」と呼んでいるのが実情です。

そのなかには、肌や毛髪の美容効果やダイエット効果をアピールしている健康食品もあることは、ご承知のとおりです。

ただし、健康食品に表示されている効能については、そのすべてに確たるエビデンスがあるわけではありません。
つまり、科学的に効能が実証されているわけではないのです。

医薬品成分が含まれる健康食品も

また、明らかに医薬品ではないのですが、なかには医薬品の成分が含まれている健康食品もあり、食品だからといって安心とは言いきれないいのが実情です。

そんな健康食品のなかには、ビタミンやミネラルなど健康の維持増進に役立つとされる特定の栄養成分をぎゅっと濃縮して、通常の食品とは違う形状の錠剤やカプセル、ものによっては粉末状にしたものがあります。

これらをまとめて、一般に「サプリメント」と呼んでいます。

そもそもこの手のサプリメントは、必要な栄養素の摂取不足によって身体に変調をきたすことがないように、食事だけでは摂りきれない栄養素を補う目的で利用するものです。

「サプリメント(Supplement:補充)」という呼び名の由来からしても、主役となるのはあくまで毎日摂る食事だということがご納得いただけるのではないでしょうか。

健康食品・サプリメントは、
処方薬との飲み合わせに注意

サプリメントを含む健康食品の正しい選び方や利用上の注意事項などの詳細は、厚生労働省と国立健康・栄養研究所が共同で編集した『健康食品の正しい利用法』と題する20ページの小冊子にまとめられています*³。

サプリメント等の健康食品の利用を検討している、あるいはすでに日々利用しているという方は、この小冊子をダウンロードして、是非一度目を通しておくことをおすすめします。

まずは栄養バランスのいい食事を

大事なことは、サプリメントを購入する前に、栄養バランスのよい食事を毎日きちんと摂っているかどうかを改めて見直してみることです。

必要な栄養素をバランスよく摂るためには、「まごたち食」にするといい、という話を先に紹介しました。

つまり、副菜(おかず)を、「まごたちわやさしい」、つまり「豆類、ごま、卵、乳製品(ちち)、わかめなどの海藻類、野菜、魚類、しいたけなどのきのこ類、いも類」を意識して摂るといいという話です。

「ピンピンコロリ」を望んでいても、歳を重ねるにつれて食が細くなり低栄養に陥りがち。低栄養が続けば活動は鈍くなり、「閉じこもり」や「寝たきり」になりがちです。この予防策として、おかずの食べ方の指針となる「まごたち食」を紹介します。

また、サプリメントなどの健康食品を利用する際は、服薬中の薬との飲み合わせリスクに細心の注意を払う必要があります。

治療薬の処方医に事前の相談を

先の小冊子のP.8~9にある「健康食品に添加されている成分と医薬品の相互作用が想定される主な事例」が示しているように、サプリメントに含まれる成分によっては、処方薬にもともと期待される薬効が下がってしまったり、副作用が強く出る、あるいは病状が悪化するということも皆無とは言えません。

医師による処方薬を服用している場合は、サプリメントなどの健康食品を自己判断では利用しないのが理想です。

食事が思うように摂れないなどの理由からどうしてもサプリメントを利用したいというときは、薬の処方を受けた主治医やかかりつけ医にその旨相談することをおすすめします。

国立基盤・健康・栄養研究所はWebサイトで、「健康食品」の安全性・有効性情報のコーナーを設け、その時々の最新情報を提供しています。
こちらものぞいてみてはいかがでしょうか。

参考資料*¹:消費者の「健康食品」の利用に関する実態調査(アンケート調査)

参考資料*²:日本医師会「健康食品・サプリメントについて」

参考資料*³:厚生労働省「健康食品の正しい利用法」