どうする?今シーズンのインフルエンザ予防接種

ワクチン接種

今冬のインフルエンザは
新型コロナとの同時流行も

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束が見通せないなか、今年の冬はインフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念されています。

どちらのウイルスも感染力が強いうえに、症状(咳やくしゃみ、のどの痛み等の呼吸器症状)がほぼ同じということもあり、コロナなのかインフルエンザなのかを自ら判断するのは難しく、多少の混乱が予想されます。

こうした事態に備えようと、日本感染症学会(舘田 一博理事長)は8月3日、
「両感染症の流行が重なれば重大な事態になる」と警告。

同時に発表した「今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」とする提言*¹のなかで、
高齢者や基礎疾患のある人等、感染を受けると重症化するリスクの高い人*や医療関係者には、インフルエンザワクチンの接種を強く推奨する方針を示しています。

*新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高い人として、厚生労働省は以下の5点をあげている。
⑴ 高齢者(65歳以上)
⑵ 基礎疾患(糖尿病・心不全・慢性呼吸器疾患・高血圧等)のある人
⑶ 透析治療中の人
⑷ 免疫抑制状態にある人(免疫抑制剤や抗がん剤を使用している)
⑸ 妊娠している人

インフルエンザワクチン接種
10月1日から高齢者優先で開始

この提言を受けるかたちで厚生労働省は、9月11日、Webサイトにて、
「季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い」*²
とのメッセージを広く一般に公表しています。

そのなかで、今年のインフルエンザワクチンの供給量(確保量)は、成人の用量に換算して、およそ6300万人分と、過去5年間中最大量で、過去最大だった昨年(2019年)の使用量に比べても12%増であると伝えています。

そのうえで、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行が懸念され、インフルエンザワクチンの接種希望者が増える可能性があると指摘。

より必要としている人が確実にワクチン接種を受けられるように、まずは予防接種法に基づく定期接種の対象になっている65歳以上の高齢者で、ワクチン接種を希望する人については、
10月1日(木曜日)から優先して接種を開始すると発表しています。

なお、自治体によっては、ワクチン接種の開始時期がずれ込むところもあるようです。

インフルエンザハイリスク者は
10月26日以降の早い時期に

上記以外の人でインフルエンザワクチンの接種を希望する人については、10月26日(月曜日)まで接種を待つよう、理解と協力を要請しています。

ただし、高齢者以外で感染リスクの高い「ハイリスク者」とされている、
①医療従事者、
②60歳以上65歳未満で糖尿病、心不全、腎疾患などの基礎疾患がある人、
③妊娠中の人、
④生後6カ月以上の乳幼児から小学2年生までの子ども、
については、10月26日以降の早い時期に接種してほしいとしています。

なお、例年どおり10月前半からのインフルエンザワクチン接種を予定し、すでに予約が完了しているクリニックなどの医療機関も少なからずあるようです。

こうした状況に鑑み、厚生労働省はワクチン接種時期について広く国民に協力を呼びかけるポスター*²を作成しているのですが、そこには、
「お示しした日程はあくまで目安であり、多少前後にずれても接種を妨げるものではありません」
と明記されています。

インフルエンザ接種に加え
感染対策の徹底も

インフルエンザの流行状況を毎年分析している国立感染症研究所の報告によれば、先月(9月)27日までの1週間に報告があったインフルエンザの患者数は、全国で合わせて7人にとどまっていて、インフルエンザについては、今年はまだ流行の兆しは見られていません

例年この時期には数百人程度の報告があることを考えると、新型コロナウイルス対策を徹底していることが、インフルエンザの流行にも歯止めをかけるかたちになっているようです。

ただし、インフルエンザが全国的に流行するのは、多少の地域差はあるものの、毎年、早くて11月以降であり、新型コロナウイルスと同時流行するリスクは依然として残っています。

したがって高齢者等のハイリスク者は、自治体から通知を受け取ったら、早めにインフルエンザワクチンを接種しておくことをおすすめします。

ただし、インフルエンザワクチンには、「ウイルスに感染しても発症しにくく、もしくは発症しても重症化を防ぐ」効果が期待できる一方で、感染を必ず防ぐというわけではありません。

そのため厚生労働省は、
①フィジカルディスタンス(身体的距離)の確保など、3密(密閉、密集、密接)を避ける
②こまめな手洗いや咳エチケット(マスクの着用)を実施する
③定期的な清掃、十分な換気を行う、
といった感染対策の徹底も、引き続き励行するよう促しています。

ワクチン接種の費用負担は
全国一律ではない

インフルエンザワクチンには、明らかな発熱(37.5℃以上)が認められる場合など、接種不適当と判断される場合があります。

また、ワクチン接種時の体調によっては、副反応が生じることもありますから、接種後に体調に異変が生じた場合は、速やかにかかりつけ医に相談することがすすめられます。

なお、インフルエンザワクチンの接種は、原則全額自己負担です。
ただし、定期接種対象者である65歳以上の高齢者と上記のハイリスク者の条件に該当する人は、自治体によっては公費の助成が受けられます(自治体からの通知を参照)。

参考までに、インフルエンザワクチン0.5ml・1回接種で、自己負担額は3000~5000円、65歳から74歳では2000~3000円、75歳以上では全額公費負担参照(自己負担0円)、というのが一般的です。